073:どんでん返し

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 TRPGはゲームであると同時に共同で作り上げる物語でもあります。

 そして、面白い物語を作る事は、TRPGではとても楽しい事ですよね。

 面白い物語と言えば、基本的に「起承転結」、あるいは「序破急」で作られています。

 そして、TRPGでも、面白い話の流れと言えば「起承転結」「序破急」でできている事が多いのではないでしょうか?

 しかし、作家でもない我々が「起承転結」「序破急」を実践するのはとても難しい事です。

 そこで、今回は「起承転結」「序破急」の要素の中で、最も難しい物、「転」「破」である所の「どんでん返し」について考えてみましょう!

 シナリオの終盤、盛り上がりも最高潮に達しようとする時、GMはプレイヤーにとある情報を話します。

 次の瞬間、プレイヤー達は思い思いの表情を浮かべ、そしてこう叫びます。

 「そうだったのかぁ!」

 これこそが、物語の肝、「転」であり「破」である所のどんでん返しのシーンです。

 色々な状態から主人公達が推測し、そしてある程度確信に迫ったと感じたその瞬間、天地が一変するような、驚愕すべき事実が明らかになる。それこそが物語の中で最も面白く、そして難しいシーンなのではないでしょうか。

 こんなシーンをTRPGのセッションに取り込む事ができれば、TRPGのセッションはとても楽しい物になります。

 「どんでん返し」というのは面白いと同時に、それをする事はとても難しい物です。

 なぜならば、「どんでん返し」というのは、意表を突いており、同時に納得の行く物でなくてはならないからです。

 小説や映画と違い、それを見る者とそれに干渉する者は同じであるTRPGでは、「意表を突くだけのどんでん返し」は不満の元となってしまうのです。

 ですから、TRPGで用いるどんでん返しという物は、「ある程度予測が可能」な物であり、それでいて「最後までバレない」物でなければいけません。

 どんでん返しが全く予想のつかないものであれば、プレイヤー達は「フェアではない」と感じてしまうでしょうし、それが何度も続くと最初から「何か裏がある」と疑ってかかってしまい、楽しいセッションではなくなってしまいます。

 逆に、どんでん返しが簡単に予想されてしまい、途中でバレてしまうと「どんでん返し」を用意した意味が全くなくなってしまいますし、そこに「最高の盛り上がり」を予定していたセッションが途端に面白くなくなってしまうのです。

 ですから、どんでん返しを使う場合、そのどんでん返しに関連する情報は注意して与えなければなりません。情報は多すぎてはいけず、少なすぎてもいけません。

 かつ、与えられる情報はある程度「どうとでも解釈できる」物である方が望ましいでしょう。特に、「思いこみ」から来る勘違いを誘えるような情報が理想的です。

 その上でプレイヤー達を誤った方向へ誘導(ミスディレクション)したり、あるいは微妙に異なった情報を与える事で混乱(コンフュージョン)させたりして行き、最終的にはスッキリとした形で納得の行く「どんでん返し」を行う事で、プレイヤー達も素直に驚き、納得できる様になるはずです。

 今回はGM向けの方法論になってしまいましたが、この方法を考慮した上で面白いどんでん返しを用意できれば、とても楽しいセッションになる事請け合いの方法です。

 ドラマチックなTRPGを楽しむのでしたら、ドラマチックなどんでん返しを用いる事で、心ゆくまでTRPGを楽しめるのではないでしょうか……?

この記事を書いた人 Wrote this article

如月翔也

 如月翔也です。TPGとアナログゲーム、PCが大好きな中年男です。このブログでTPGについて色々触れています。コメントを貰うと非常に喜ぶのでお気軽にコメントをお願いします。