#TRPG #秘匿ハンドアウト #荒れる秘匿ハンドアウト #荒れない秘匿ハンドアウト
日想:「秘匿ハンドアウト」に思う事
こんにちは、如月翔也(@showya_kiss)です。
今日はTRPG界隈で割と問題になりがちな「秘匿ハンドアウト」について思った事を日想形式でお送りしたいと思います。
この記事では「秘匿ハンドアウト」が荒れる理由・荒れない「秘匿ハンドアウト」はどうすればいいのか、というお話をします。
「秘匿ハンドアウト」とは
「秘匿ハンドアウト」とは、ハンドアウト(プレイ前に事前にPCに渡される設定や目的などを記入したものです)の中でも「プレイ開始時点でプレイヤーに渡されていない=秘匿」ものを指します。
(他人に公開しない「秘匿」ハンドアウトもありますが、今回は「プレイヤーにすら渡されていない」もの、運用によっては「秘密」と呼ばれるものを指すものとします)
大体はセッション中に秘匿内容が明かされて、プレイヤーに驚きや感動・葛藤を与えます。
これはTRPGのシステムとして整備されているもの(インセインなど)と、ハンドアウト制のTRPGに独自に秘匿を加えた運用のセッション、そもそもハンドアウトがないTRPG(クトゥルフ神話TRPGはそもそもハンドアウトはありません)にハンドアウト制を取り入れた上で更に秘匿を加えた運用のセッションで使われます。
「秘匿ハンドアウト」が荒れる理由
場合によって、というか結構な確率で「秘匿ハンドアウト」が荒れると言うか否定的なニュアンスで使われるのは、以下の問題があるからです。
- 参加プレイヤー全員に驚き・感動・葛藤を与えるのが難しく、「外れ」を引く人が出る
- そもそも隠す必要がない内容が秘匿されている
- プレイヤーが渡されたハンドアウトを読んで期待した進行を「悪い意味で期待を裏切る路線変更」をしてしまう(入れ込むNPCが「実は死んでいた」など)
- プレイヤーが渡された時点で「知らんがな」という感想で全て終わってしまう
- 内容を見て驚く事は驚くがそれでシナリオ進行もキャラの判断も何も変わらない内容が書いてある
「秘匿ハンドアウト」って、プロの人のシナリオでも「あ、外れハンドアウトだ」と思う内容のものが含まれているのがあるくらいで、結構扱い難しいんですよね。
そして、同人シナリオや自作シナリオだとなおさらそういう部分が難しく、そもそもハンドアウト制って「PCに番号を振って1番は主人公、2番はサポート、3番は」という部分から始まっているのでハンドアウト制度を取る事で主人公にフォーカスがあたるのは仕方がないんですが、「秘匿」部分ですら適当に扱われるとラージナンバーのプレイヤーはつまらないと言うか、「秘匿自体いらないよ」という結論になってしまうんですよね。
荒れない「秘匿ハンドアウト」とは
では逆に荒れない「秘匿ハンドアウト」とはどうなるか、というと、上記地雷を避ければいいわけなので、以下になります。
- PC番号に関わらず全員に「明示ハンドアウト」と「秘匿ハンドアウト」の落差で驚き・感動・葛藤を平等に与える
- 隠す必要がない部分は「明示ハンドアウト」に記載する
- 「明示ハンドアウト」でプレイヤーが期待する進行を裏切らない、又は良い意味で裏切る設計にする(入れ込むNPCを「助けなければならない」など)
- プレイヤーが「秘匿ハンドアウト」を渡された時点で前のめりになる内容にする(セッション中にモチベーションを追加する秘匿ハンドアウトにする)
- 「秘匿ハンドアウト」を読んだ事でプレイヤーの判断・行動が変化する内容にする(上記モチベーションの追加のバリエーションで、判断根拠の追加、行動原理の変化を起こさせる)
これが達成できればプロ級と言うか、ここまで来て初めて「秘匿ハンドアウト」を導入した意味があるわけです。逆に言うとこのレベルに達していない「秘匿ハンドアウト」をやってしまうと誰かが嫌な思い・又は「ふーん」で終わる満足度の足りないセッションになってしまうんですよね。
ただ、これはかなり要求レベルの高いハンドアウト運用になってしまうので、僕としては迂闊に「秘匿ハンドアウト」システムのないTRPGに「秘匿ハンドアウト」のシステムを追加するのはおすすめしません。
逆に「秘匿ハンドアウト」システムのあるTRPGって、かなりTRPGとしては「ゲームより」のゲームになっていて「秘匿ハンドアウトによるキャラの変化」があまり大事ではない・ストーリーボードの転換点として「しか」使っていないシステムが大半なので、そういう意味で許されているのであり、むしろキャラクターに没入してプレイしたいエモ傾向の強いプレイをするのであれば「秘匿ハンドアウト」はキャラの方向転換を強制する可能性を孕むので下手すると明らかにノイズになるので避けた方が良いです。
(ゲーム性よりとエモさは両立しうるんですが、今回は単純化するためにこう表現しています。)
秘匿によってエモさが消えないのって、「大事に思っていた兄妹が実は親のお互いの連れ子だった」=「結婚可能」くらいしかない(まあ他にも「死んでいたと思っていた誰かが生きていた」とか色々あるにはあるんですけどね)のと、全員それで行く?みたいな部分があるので、ロールプレイ嗜好、エモさを求めてプレイ、であれば「秘匿ハンドアウト」ではなくてシナリオ進行でやるべきだと思います。
ここら辺はもっと深堀りして別記事を予定しています
というわけで、「秘匿ハンドアウト」で発生しがちな問題点と回避方法を考えたのですが、皆さんのご意見はどうでしょうか?
皆さんの反応を見たり、自分でもう一段階深く考えたりしてそれなりの結論が出たら別カテゴリで正式な記事にして、この記事からリンクしたいと思います。
是非コメントで皆さんのご意見をお聞かせ下さい。コメントでの議論も荒れなければOKです!
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まず「不信感」を避けましょう。
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