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07.TRPGのレヴューは難しい

Dark Side》 2010/01/14 23:00

 最初に書いておくけど、これは俺の個人的意見だからね。

 今回は色々な所で公開されている「TRPGシステムのレヴュー」にちょっと挑戦を仕掛けてみましょう。

 おっと、私が「TRPGのレヴュー」をする、って訳ではありませんよ。
 そうではなくて、「TRPGシステムのレヴュー」という物についての考察です。


 さて。
 TRPGの面白さって、何だろう?
 面白いTRPGって、何だろう?

 これは物凄く難しい問題だと思います。
 「システムのデータ的なバランス」「世界観」「ストーリー」「GMのテクニック」「プレイヤーのノリ」「ダイス目」…
 このどれも、「TRPGの楽しいトコロ」ではありますが、「それがTRPGの楽しさ」という類の物ではないはずです。

 「システムのデータ的バランス」を楽しむのであればシミュレーションゲームをする方が余計な部分が無くていい。
 「世界観」や「ストーリー」を楽しむのであれば、プレイヤーやGMによって邪魔のはいるTRPGという形式ではなく、完成された「世界観」「ストーリー」のある小説や映画、あるいは漫画を楽しめばいい。
 「GMのテクニック」「プレイヤーのノリ」を楽しむのであれば、最終的に行き着くところはシステムレス・プレイであり、即興演劇に通じるでしょう。
 「ダイス目」…単に、これだけを楽しむのであれば、丁半賭博とか、チンチロリンとかを楽しめばいいでしょう(もちろん、お金は賭けずにね)。

 じゃあ、「TRPGって何が面白いのさ?」という事に対する答えは…
 まあ、この問題に関しては、本来はTRPGを楽しむ人1人1人が考えて、それなりの答えを出せば済む訳なんですが…
 私の場合、「TRPGはセッションが面白いんだよ。色々あってさ」という結論に達した訳です。

 システムによって提供される「世界観やデータバランス」の上で、GMが作り上げた「ストーリー性」を元に、「プレイヤーのノリ」によってキャラクターを作り上げ、そのキャラクターの行動とGMの与えた状況によって一つのストーリーに収縮されて行き、さらにそれが「ダイス目」やプレイヤー/キャラクターの相互関係によって二転三転するのが面白さのモトなのかなぁ…と、私は思う訳です。

 こんな書き方をすると難しいですけど、結局、TRPGっていうのは「セッション」の中にある要素全てが楽しく、それが全部組合わさって「物凄く楽しい」物になっているんじゃないかな、と思うんですよね。


 さて、ここまでで私なりの「TRPGに対しての評価/気構え」という物を理解していただけたと思うのですが…
 さっそく、本題である「TRPGシステムのレヴュー」について考えてみましょう。

 さて。
 TRPGのシステムというのは、どれだけ作り込んである物であっても、絶対的に未完成、あるいは一つのセットとして完成していない物なんです。
 それは、TRPGが「人間同士でする物」だからなんですけどね。

 そもそも、TRPGというのは「仮想的な現実」を提供しなければいけない物ですから、TRPGシステムというのは本当は「その世界全部」を記した物でなければなりません。
 でも、それは現実的ではないですよね?少なくとも、開発者が「世界全部」を書き終える前に、絶対に寿命が尽きてますから。
 ですから、TRPGシステムというのはある程度自由裁量で決められる部分を持っていなければならないのです。
 多少は現実に即していなくても、「実際に使えるレベル」で物理法則をルール化し、あり得ない存在
を「あるものとして」扱わなければなりません。ですから、TRPGシステムというのは絶対的にファジーな物なんですよ。
 それに対して、TRPGではGMという「判断者」を作ってファジーな部分を判断させる、というスタイルで対応している訳ですが。

 ですが、その対応・スタイルのせいで、「TRPGのシステム」という物に対しては絶対的な評価・判断という物が下せないんです。
 例えば、AというGMがやった「ソード・ワールド・RPG」と、BというGMがやった「ソード・ワールド・RPG」というシステムは、システムこそ同じであれ、その中身は全く異なった物となります。
 それは、Aという判断者(GM)とBという判断者(GM)が全く別の存在である為、世界のリアリティ(の判断)が異なるからです。
 それによって、TRPGシステムの運用はもとより、提供される世界観への感触も大きく異なってしまいます。

 また、実際の問題として、レヴューを作成する際に使用したシナリオ自体が「面白いか否か」で、システムに対する評価という物は大きく異なってきます。

 同様に、GMだけではなく、プレイヤーが異なる事でシステムに対する評価が異なってくる事も当然の問題として上げられるんですね。

 ですから、TRPGでは「一般的にクソゲーとされるシステム」であっても良い参加者に恵まれる事で「良い評価を受ける」事がままありますし、「一般的に名作とされるシステム」であっても参加者の相性によっては「最悪の評価を受ける」事が考えられるんですね。


 また、TRPGで「表現しようとしている」物の違いによって、評価が異なる事も多くあります。

 例えば、「ファンタジー」という単語に対して、個々に思い浮かべる物は異なってくるのが当然でしょう。
 「箒にのって空を飛ぶ、14才くらいの少女。箒の先には黒猫が座っている」のをファンタジーと思う人もいるでしょうし、「獰猛なドラゴンと死闘を繰り広げる騎士」をファンタジーの代表として考えている人もいるでしょう。
 しかし、大枠で括った場合、これはどちらもファンタジーなのです。

 例えば、「幼い魔女」をやりたいプレイヤーに、「”手足が飛ぶような激しい戦闘”の実現を目指すTRPGシステム」をプレイさせれば、恐らくはその評価は最悪でしょう。
 逆に、「血沸き肉踊る冒険活劇」をしたいプレイヤーに「”幼き魔女の小さな冒険”の実現を目指すTRPGシステム」をプレイさせれば、恐らくはまともな評価はされません。

 このように、個人個人の嗜好によっても、TRPGシステムへの評価は異なってくるのです。

 また、ゲーム的なバランスについても、「ハードな世界観」「ソフトな世界観」といった「表現したい世界のバランス」によって適切なバランスあるか不適切であるかが異なってきますので、これに関しても余程極端でもない限りは個人の嗜好に収まってしまいますし、極端なバランスであっても「そのようにデザインされた世界なのだ」と言われれば適切である事になってしまうのです。


 

 ですから、結局、TRPGシステムに対する評価というのは絶対的な物にはなりえず、ほぼ確実に「個人の嗜好」レベルでの好き嫌いに別れてしまうんですよね。

 ですから、色々な所で「TRPGシステムのレヴュー」というのを見る機会に恵まれても、それを盲信せず、自分で実際に見て、何度もやってみて、そして判断するという事が大事である、という事を忘れない方がいいですよ。

 そうする事で、もしかしたら「素晴らしいTRPGシステム」に出会えるかも知れませんし、そうする事自体がTRPG業界の活性化にも役立つ事ですから…


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