TRPGは演技を楽しむ遊びです。
そして、「異世界」のリアリティを楽しむ遊びでもあります。
例えば、ファンタジーRPGを楽しむ人は、現実世界にはない、剣と魔法の冒険活劇や、高度な魔法の織りなすハイファンタジーを楽しみます。
さて、ここで一つの問題があります。
貴方はTRPGをする時に、「現実世界のリアリティ」と「異世界のリアリティ」の、どちらを優先するでしょうか?
例をあげると、ファンタジーTRPGの「騎士」の行動の規範などがあります。
イメージで言うPCの「騎士」は、「騎士道」に則った、「公明正大」「弱者の味方」「正義の味方」等というイメージがあります。
しかし、現実の歴史では「騎士道」という物は、銃が発明され、重い鎧を着た騎士が役に立たない飾り物に墜ちた頃に発明(?)された物であり、ファンタジーTRPGの多くが対象としている「中世」の時代には存在しなかった物です。
また、当時の「騎士」の守るべき物は「高貴な者」だけであり、農民や市民などに対しては害を加える事はあっても守る事はない、というタイプの騎士が多かったそうです。
さて、貴方はイメージ先行の前者と、現実に根ざした後者のどちらを取りますか?
私は、あえて前者を取るべきだと考えます。
例え現実の騎士が堕落した存在であろうとも、TRPGにおいては「騎士」は正義の味方であるべきなのです。
現実には現実のリアリティがあるのと同様、異世界には異世界のリアリティが優先されるべきです。そして、TRPGの「異世界」のリアリティとは、すなわち「やっていて面白い」「やっていて納得のいく」「格好いい」ものではないでしょうか。
貴方は、隣のプレイヤーが「卑怯な騎士」を(アンチテーゼとしてではなく)やっているのを見て、それが許せますか?納得がいくでしょうか?
許せたとして、納得ができたとして、それで楽しいTRPGができるでしょうか?
その点を考えると、どちらのリアリティが優先されるべきかは一目瞭然ではないでしょうか。
TRPGをするのでしたら、異世界のリアリティに基づいた、楽しいTRPGをしたいですね。