最近の演技指向TRPGでは、作りたてのキャラクターでも戦闘面では結構強い、という物が多く見られますね。
そのためか、普通の(演技指向ではない)TRPGをする時、「キャラクターが弱いと個性が立たないんですよね〜」というプレイヤーを見かける事があります。
でも、ここでちょっと考えてみましょう。
キャラクターが弱いと、個性は立たないものなのでしょうか?
私は、これは違うと思います。
戦闘面に関して「強い」「弱い」というのは、明らかに個性の一部だからです。
足が速い、顔が良い、声が大きい、気が弱い、というのは個性です。
それと同じレベルの個性として、(戦闘で)「強い」「弱い」というのがあるんですね。
ですから、キャラクターが戦闘で弱くても、充分に個性は出せますし、むしろ弱い方が個性を出しやすいとも言えるでしょう。
例えば、ただの雑魚との戦闘でも、弱いキャラクターであれば、なんとかしてそれを回避しようとするでしょう。
それは、演技としてできる物ですし、それを演技する事でキャラクターは充分に立ちます。
重大な敵との戦闘では、弱いキャラクターは、自分が弱い事を自覚した上で闘う決心をし、そして勝つ為にあらゆる手段を使うでしょう。
強いキャラクターであれば、雑魚相手には「普通に」闘うでしょうし、重大な敵相手にも「ひるむ事なく」闘うでしょう。
でも、それだけです。
背景設定や主義・主張という絡みがなければキャラクターは立ちませんし、そのような絡みがあれば、弱いキャラクターでも充分にキャラクターを立たせる事ができるのです。
そう、ですから、キャラクターを演じる・立たせる事にはキャラクターの強さは関係ないのです。
強い・弱いはあくまでも個性の一部に過ぎません。
キャラクターの強さや、システムの問題をあげる前に、自分の作ったキャラクターの全体の完成度を考えてみると、もっと色々な演技を楽しめるのではないでしょうか……?