TRPGは、「ゲームマスター」と「プレイヤー」という2種類の役割の人間が、共同作業で進めていくゲームです。
もう少し掘り下ると、GMの示した状況を元に、プレイヤーがキャラクターを行動させ、その行動を元にGMは状況を変化させ、その新しい状況をGMが示し、それに対しプレイヤーがキャラクターを行動させ……という、「相手の行動に対応しての行動」を繰り返す、まさに共同作業であるという事です。
これらの「要素」は、GM及びプレイヤーの守るべき、最低限のルールでもあります。
すなわち、
・プレイヤーはGMの提示した状況を元にキャラクターを行動させる。
・GMはキャラクターの行動を元に状況を変化させる。
という、2つのルールです。
この2つのルールが無いものは、TRPGでは有り得ません。
GMが状況を与えたにも関わらず「キャラクターが何も行動しない」のはTRPGではありえませんし、キャラクターが行動を取ったにも関わらず「状況が一切変化しない」というのはTRPGではないのです。
(この場合、理由があって「あえて行動しない」というのは一つの行動ですし、理由があって「行動したが状況は変わらなかった」というのは状況の変化だと考えられます)
これは、TRPGが「コミュニケーション」によって楽しむという、比較的新しいジャンルの遊び(年季はそれなりにあるのですが)である、という事実に基づくものでしょう。
そして、この2つのルールこそが、TRPGの醍醐味であると言えるのではないでしょうか?
TRPGは「ゲーム性」「物語性」「キャラクター性」「リアリティ」という様々な魅力を持った遊びですから、GMやプレイヤーをしている時には楽しさのあまり、「自分が楽しむ」事に没頭してしまう事もあると思います。
しかし、これらの魅力のほぼ全てが、「他者との関わり」や「共同作業」によって生み出される物なのです。
そのため、「自分が楽しむ」事だけに没頭してしまった時点で、共同作業としてのTRPGの魅力は消え失せてしまう物なのです。
ですから、TRPGをプレイする際は、TRPGがGMとプレイヤーの共同作業である事を忘れてしまってはいけないのです。
キャラクター同士の関わりだけでなく、プレイヤーとマスターの関わりについても考えてみると、実にスムーズかつ楽しくTRPGをする事ができると思いますよ。