038:知力という能力

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 大抵のTRPGでは、キャラクターの能力を表現するために「能力値」という物を使っています。

 この「能力値」という物は、「そのキャラクターの持つ能力を、種別事に数値で表したもの」です。

 3D6で能力値を決めるTRPGであれば、筋力18は世界でも屈指の力持ちでしょうし、耐久力3は目も当てられない程に貧弱なキャラクターでしょう。

 また、魅力15は誰からも好意を持たれるキャラクターでしょうし、精神力5はかなり根性のないキャラクターでしょう。

 この「能力値」というものは、キャラクターの個性を表す数値であると同時に、ゲームで使用される重要な数値でもあります。

 しかし、「ゲームで使用する」ためにはかなり重要となる反面、「個性」としてプレイするのが非常に難しい能力値があります。

 それは、「キャラクターの頭の良さ」を表す能力値、知力です。

 先程と同様の例えを使うと、知力18は世界でも屈指の頭の良さですし、知力15は誰からも認められる聡明さです。

 知力5はかなり頭が悪く、知力3に至っては世界でも有数の頭の悪さであるという訳です。

 しかし、この「頭の良さ」という能力値は、はっきり言ってロールプレイやキャラクタープレイをする時には邪魔でしかないのです。

 まず最初に、プレイヤーよりも頭の良いキャラクターなど、演じる事ができる訳がありません。

 「頭の良いフリ」をする事は難しくはありませんが、シナリオ上で「聡明」な行動を取るためにはプレイヤー自体が聡明であるか、もしくはGMにヒント(あるいは答え)を教えて貰う必要があるでしょう。

 次に、プレイヤーよりも頭の悪いキャラクターを演じる事は、大きなストレスになってしまうのです。

 プレイヤーが一生懸命に考えて出した作戦を、GMに「君のキャラクターの知力では思いつかないね」と一蹴されてしまったり、あるいは自分自身で「こいつにはこんな高等な作戦は思いつけないよなぁ」という制限をかけてしまうからです。

 そう、プレイヤーとキャラクターに知力の格差があると、「演じる」事や「行動する」事が非常に難しくなってしまうんですね。

 ですから、ここでちょっとした提案があります。

 TRPGで使われる知力という能力値を、次のように解釈してみてはいかがでしょうか?

 「知力という能力値は、PCが普通の時の頭の良さである。しかし、神がかり的に良いアイディアを思いついたり、あるいは迂闊にも間抜けな考えに至ってしまう事は多々ある」

 「知力という能力値はPCの記憶力と理解力を表した数値に過ぎない。判断力や決断力は能力値化しておらず、全てプレイヤーに任されている」

 2通りの考え方ですが、この考え方ですとどちらも「TRPG」のプレイを妨げる事無く、また、「知力」という意味を損なう事もないと思います。

 もちろん、「私はどんな知力のキャラクターでも演じられる」という方には全く意味のない提案ではあるのですが、こう考える事で「TRPGをしやすくなる」という一面はあるのではないか、と思います。

 さて、貴方はキャラクターの「知力」をどのように考え、実践しているのでしょうか?

 これは、是非ともみなさんに意見をお聞きしたいですね。

この記事を書いた人 Wrote this article

如月翔也

 如月翔也です。TPGとアナログゲーム、PCが大好きな中年男です。このブログでTPGについて色々触れています。コメントを貰うと非常に喜ぶのでお気軽にコメントをお願いします。