【日想】043:【長文注意】シナリオ作成考

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 TRPGのシナリオを作るにあたって、自分が考える注意点やどうすれば良いシナリオになるかという点について考えてみました。
 ネタ自体はTwitterで垂れ流しにした文章が元になるのでもうご覧になった方もいらっしゃるかとは思いますがかなりの加筆修正を加えていますので、よろしければ御覧下さい。

 TRPGのシナリオを作成するにあたって、今回は
1)シナリオにおいて解決すべき最終目標を設定する
2)最終目標に到達するために解決すべき障害を設定する
3)クライマックスを設定する
4)シナリオの導入を設定する
 という形式で作成する事を想定します。
 では、4つの項目を順に説明していきます。

1)シナリオにおいて解決すべき最終目標を設定する
 まず最初にそのシナリオにおいて解決すべき最終目標を設定します。
 例えば「ダンジョンに眠るお宝を手に入れる(目標A)」「盗賊団を捕獲する(目標B)」「不治の病を治す霊薬を入手する(目標C)」と言ったものを設定します。
 最終目標を設定する時、その最終目標はシステムの世界観に合致するものを設定する必要があります。
 システムによって提供される世界観に合致した目標を設定する事でプレイヤーは安心して目標に向かう事ができるからです。
 例えばファンタジーのシナリオで「壊れたロボットを修理する」などの最終目標は世界観に合致しないので「壊れたゴーレムを修理する」など、世界観に合致した目標を設定して下さい。

2)最終目標に到達するために解決すべき障害を設定する
 最終目標がただ単独で置いてある場合、その最終目標は他の誰かに解決されていると考えるのが自然です。逆に言うと、その「最終目標」はそう簡単に解決できない事情があり、解決されないままに放置されていると考えるのが自然です。
 そのため、シナリオの最終目標に到達するにはいくつかの障害があり、その障害を解決する事で最終目標に対峙できるという状況であり、その障害解決がシナリオのメインパートとなる形式が良いでしょう。
 目標Aであればダンジョンに罠やモンスターがいる(ダンジョンシナリオでダンジョンハック)、目標Bであれば盗賊団は神出鬼没でどこにいるか掴めない(シティシナリオで情報収集)、目標Cなら霊薬を作る薬師は人気のない高い山の上に住んでいる(ウィルダネスアドベンチャーで踏破)、などの障害を設定する事ができます。
 この時、設定される障害は「簡単なものが一つ」では誰かに解決されてしまっているのが普通ですので、「腰を据えて対処すべきものが幾つか」という形でまとまっているのが理想です。
 逆に言えば目標Aで「四畳半ダンジョン」を作るのであれば、障害が簡単すぎるのでダンジョン自体がどこにあるかわからずそれを探す(ウィルダネスのバリエーション)、などのひねりを入れると良いでしょう。
 また、障害を設定する場合、障害のすべてを解決しないと最終目標に到達できない形式になっているとプレイ中に詰まってしまう可能性が非常に高いので、「いくつかある障害の内何個を解決すれば最終目標に到達できる」という形式にまとめておくのが無難です。

3)クライマックスを設定する
 最終目的を達成するために必要な条件が整った時点で、最終目標に挑戦するためのクライマックスを設定します。
 目標Aであればボス級モンスターとの戦闘、目標Bであれば盗賊団との対決、目標Cであれば薬師の出す無理難題、といったシナリオにおいて最も難易度が高く、解決する事でカタルシスを得られるクライマックスであるのが理想です。
 個々の障害を解決する事で緊張度を高め、テンションを上げた状態でクライマックスに突入する事でプレイヤーの感情を強く揺さぶる事が可能になります。
 このクライマックスを終える事がイコール最終目的の達成、という形式にする事で最初から最後までダレないゲームをする事ができます。

4)シナリオの導入を設定する
 ここまで作成したとしても、プレイヤー及びPCがシナリオに挑戦しなければシナリオは使えません。そのため、プレイヤー及びPCにはシナリオに対するモチベーションが必要になります。
 そこで、モチベーションを与えるためのシナリオの導入を設定すると良いでしょう。
 目標Aであれば「最近仕事もなくお金が足りなくなってきた」で良いでしょうし、目標Bであれば「楽しみにしていた新しい武器が盗賊団に奪われたという。盗賊団には懸賞金もかかっている」という導入、目標Cならばプレイヤーが好いているNPCが不治の病になった、などの導入を入れる事でシナリオが人事にならず、積極的に問題解決をしたいという気持ちになるでしょう。

【終わりに】
 これはあくまでも順を追って障害を配置していくタイプのシナリオ作成法についてのTIPSですので、その人その人のシナリオ作成法によっては役に立たない可能性もあります。
 しかし、実際にこの形式でシナリオを作成している人もいます(私です)ので、なにがしかの参考になれば、と思い公開させて頂きました。
 ご質問やご意見などありましたらコメントでお寄せ頂ければ対応させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

この記事を書いた人 Wrote this article

如月翔也

 如月翔也です。TPGとアナログゲーム、PCが大好きな中年男です。このブログでTPGについて色々触れています。コメントを貰うと非常に喜ぶのでお気軽にコメントをお願いします。