※このコラムは「TRPGの変遷(第1世代)」「TRPGの変遷(第2世代)」「TRPGの変遷(第3世代)」の続編です。
TRPGの変遷の歴史をざっと振り返った所で、今度はTRPGの最近の傾向について考えてみる事にしましょう。
最近は「第1世代型」と呼ばれる「戦闘と成長」のTRPGはなりをひそめ、代わりに「世界」を重視する「第2世代型」TRPGと、「キャラクター」を重視する「第3世代型」TRPGがTRPGの代表格になっています。
更に最近では、その「第2世代」と「第3世代」を合体させた上で「キャラクターの演技」にウェイトを置いた「演技重視」TRPGがなかなかの好評を博しているようです。
この「演技重視」TRPGは、世界に根ざした個性的なキャラクターを使い、キャラクター同士の会話や交流を経て、キャラクターが葛藤し、苦悩し、「内面的に」成長していく演技を楽しむTRPGです。
これはむしろTRPGというよりも、「演技ツール」といった類のシステムではありますが、TRPGの流れを見ると、この形のTRPGが好まれるようになってきたのも頷けますね。
TRPGには両極端として、「ゲーム(ルール)」と「ロールプレイング(演技)」があります。
第1世代型TRPGが極端に「ゲーム(ルール)」寄りでした。
それに対して、第2世代型TRPGは背景/設定を加える事で「ロールプレイング」をしやすい環境を整えました。
そして、第3世代型TRPGでは、キャラクターを掘り下げる事で更に濃密な「ロールプレイング」ができるようになっているのです。
そう、TRPGは初期の状態から、確実に「ロールプレイング」寄りへとシフトしてきているのです。
そして、「演技重視」TRPGは、ある意味究極の「ロールプレイング」寄りの典型なんですね。
これを考えると、最近のTRPGが演技を重視した物である、という事は、ある意味時代の流れのようなものですから、案外簡単に受け入れられる物なのかも知れませんね。
そして、近い内には「演技重視」TRPGが、「第4世代型TRPG」と呼ばれて一般化していくのかも知れません。