040:TRPGにおけるスキル

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 TRPGのシステムを大雑把に分けると、2つの種類に分ける事ができます。
 いわゆる、「クラス制システム」と、「スキル制システム」の2種類です。

 「クラス制システム」というのは、その名の通り、キャラクターを何らかの階級(クラス)に分け、その階級によって「できる事」「できない事」を分けるシステムです。

 キャラクターの特徴は「能力値」と「クラス」という2つの要素に限定され、普通、「実は鍵開けもできる戦士」とか、「隠し芸程度に魔法を使う盗賊」というキャラクターは作れないのが一般的です。

 それに対し、「スキル制システム」というのは、技能(スキル)によってキャラクター全体を表現するシステムです。

 例えば、「戦士だから剣を使うのが得意」なのではなく、「<剣>技能が高いから剣を使うのが得意」という、1つ1つの物事に対して技能を用意し、その技能によって得意/不得意/不可能を表現するシステムを指します。

 このシステムだと、技能を持っていれば行動ができる訳ですから、「戦いが得意で、鍵開けもできるキャラクター」や「鍵開け、罠の解除をそつなくこなし、魔法もちょっとだけ使えるキャラクター」などを作る事ができます。

 では、この「色々できるシステム」である「スキル制システム」について、ちょっと考えてみましょう。

 「スキル制システム」では、「スキル」という、キャラクターの「できる事」を組み合わせる事でキャラクターをリアルに肉付けしていきます。

 しかし、そのようなシステムでキャラクターを作ると、つい戦闘に有利なスキルばかり選んでしまう事があります。

 ですが、「戦闘に有利なスキルばかり持っているキャラクター」というのは、実にリアリティのない存在ですよね。

 どんなキャラクターにだって子供の頃に色々やった事、冒険者になる前の経歴など、相応の過去があるはずです。

 しかし、その過去の行動と経験結果身についているはずの「スキル」に、過去が反映されていないというのは、どうもリアリティがないとは思いませんか?

 そう、「スキル制システム」のキャラクターは、その過去に基づく、一見無駄なスキルという物が必ずあるはずなのです。

 例えば、一人暮らしの長かったキャラクターは「料理」のスキルがそれなりにはあるはずですし、両親が富裕層だったキャラクターであれば、それなりの「礼儀」「作法」のスキルを持っているはずですよね?

 このような「一見無駄なスキル」があると、冒険の間のちょっとしたシーンにキャラクターを絡ませる事ができますから、より深くキャラクターを表現する事ができます。

 例えば、料理スキルの低い魔法使いがナイフで指を切ってしまった時、無口な戦士系キャラクターが「魔法を使うには指は大事だからな。」等と言ってナイフを取り上げ、代わりにおいしい料理をつくる、なんていうシーンはキャラクターにちょっとしたアクセントをつけてくれるのではないでしょうか?

 こういったちょっとしたアクセントは、キャラクターをリアルにすると同時に、きっと個性を際だたせてくれますよ。

 貴方も、キャラクターに無駄なスキルを取らせてみませんか?

 きっと、通常シーンを「演じる」事が、更に面白くなると思いますよ。

この記事を書いた人 Wrote this article

如月翔也

 如月翔也です。TPGとアナログゲーム、PCが大好きな中年男です。このブログでTPGについて色々触れています。コメントを貰うと非常に喜ぶのでお気軽にコメントをお願いします。