TRPGの1つの完結したプレイを「セッション」と言います。
要するに、ゲームを開始し、シナリオを進行し、シナリオを終了させ、ゲームを終了するまでの1つの流れを「セッション」と言う訳です。
TRPGでは1つのセッションからなる「単発シナリオ」、複数のセッションからなる「連続(キャンペーン)シナリオ」などがありますが、それら全てはセッションによって形成されている訳ですね。
さて、このTRPGの「セッション」ですが、これを行う時にはいくつか考えなければならない事があります。
今回のコラムでは、その「セッション」の重要なポイントについて考えてみましょう。
さて、要するにセッションというのは大概は「1回のゲーム」を指します。
ゲームとは、当然「楽しみ」を追求する物ですから、セッションで一番重要なのは「楽しむ」事です。
しかし、TRPGには色々な形での楽しみ方があります。
マスターの語るストーリーを楽しむ。キャラクターの役割演技(ロールプレイ)を楽しむ。キャラクターの人格演技(キャラクタープレイ)を楽しむ。アクションシーンを楽しむ。幻想世界での日常生活を楽しむ。e.t.c……
これらのどれも、TRPGの根幹をなす「楽しみ」です。
しかし、実はこれらはセッションで一番大事な「楽しみ」ではないのです。
これらの多様な楽しみに埋没しがちですが、セッションで一番大事なのは、実はセッションの完成を楽しむ事なのです。
セッションというのは多くの要素でできています。
マスターの作ったプロット、プレイヤーの行う役割/人格の演技、アクションシーンや日常生活、あるいは世界観やダイス運。これら全てがセッションを成立させる為に必要な要素ですし、これらが高いレベルで統一されたセッションは他に変えられない楽しみを提供してくれます。
しかし、その要素の1つ1つは突出してしまうと他を阻害してしまうという性質を持っている物が多く、要素の1つが突出してしまうとセッションを阻害してしまう事になりかねないのです。
そして、阻害されてしまったセッションというのはもはやTRPGではなく、TであったりRであったりPであったりGであったり、とにかくなにか偏ってしまった物となってしまいます。
これでは、TRPGを楽しんだ事にはなりませんし、そもそも面白くない物になってしまう可能性が非常に高いのです。
だからこそ、プレイヤーもマスターも、自分が「楽しい」と思う部分をある程度で抑え、他の部分を高める事を考えなければなりません。
これは面倒にも思えますが、TRPGの個々の「楽しみ」は複合させる事によって格段に面白くなりますから、慣れてさえしまえば非常に簡単で、かつ面白い物なんですね。
そして、それによってTRPGの楽しみは無限に広がりますし、面識のないTRPGプレイヤーとのセッションでもうまく立ち回る事ができるようになり、TRPGの世界も広げやすくなるのです。
マスター、あるいはプレイヤーとして長くTRPGの経験を積んでいると、「TRPGはこれが面白いんだ!」という自分のこだわりが大きくなってきます。
ですが、それはTRPGと自分の可能性を制限する物であり、実にもったいない事なのです。
こだわりはあった方が面白いのは事実ですが、そのこだわりを持った上で、他の要素にも挑戦してセッションの完成を楽しんでみませんか?
きっと、今まで以上に華麗でエキサイティングなTRPGが楽しめると思いますよ。