TRPGと一言に言っても、ファンタジーやホラー、SFにサイバーパンクと、色々な種類があります。
そして、それだけではなく、同じタイトルのTRPGであっても、メンバーやセッションによって、小さな違いというものがあります。
そして、その「小さな違い」というのは、実はTRPGを楽しむに当たっては大きな要素となり得る物なのです。
今回は、その「小さな違い」の一つ、セッションのタイプの問題について考えてみましょう。
TRPGの楽しみ方というのは様々にあり、まさにプレイヤーごと、ゲームマスターごとに「楽しみ方」や「楽しませ方」というのが存在します。
とある人はまるで映画のようなストーリー展開と熱いセリフの応酬を楽しんでいますし、とある人は緻密な戦略による「ゲーム」としての楽しみを追求します。
あるいはセッション中にいかに「上手い!」と思われるような行動を取るかに心血を注ぐ人もいますし、セッションを爆笑の渦に巻き込む事を得意とする人もいるでしょう。
それらのプレイヤー、ゲームマスターが集まって作り上げられるのが「セッション」なのですが、時にプレイヤー/ゲームマスターの望むスタンスの食い違いから、セッションが大きくバランスを崩してしまう事があるのです。
例えば、ストーリーを進ませ、その中でキャラクターを立たせるというスタンスを取る人と、最初から作ってある設定に従い、それを実現する事を信条とする人が同じセッションに入った場合、大概はストーリー主導型のプレイヤーとキャラクター主導型のプレイヤーの間にはそれなりの齟齬が生まれてきます。
ストーリー主導型のプレイヤーから見るとキャラクター主導型のプレイヤーは「シナリオの進行を邪魔するプレイヤー」に過ぎませんし、逆から見ればストーリー主導型のプレイヤーは「キャラクターの立たない演技不足のプレイヤー」に見えてしまう為です。
これは、プレイヤー/ゲームマスターの間で「セッションのスタイル」が確定していない場合、特によく見られる状況といえます。
この様な状況の中で、自分のスタンスと相手のスタンスを融合する形で、一つの「セッションのバランス」が作り上げられていくのが普通ですし、TRPGをプレイする人にはそれを上手くこなす事が当然の事として求められ、しかもそれ程難しい事ではないですから、この問題が表面化する事はそれ程多くはないと思われます。
しかし、プレイの中で主導権を握るプレイヤーが2人以上いた場合や、主導権を握るプレイヤーが明確ではない状態の場合、あるいはマスターの求めるスタンスとプレイヤーの求めるスタンスが違った場合、互いのプレイヤーがスタンスの融合を行わず、結果としてセッションが崩壊してしまう事があります。
せっかくのセッションですし、TRPGは長い時間を使って楽しむ物ですから、セッションが崩壊するのは全てのプレイヤーとゲームマスターにとって大きな損害ですから、このような事はなるべく起きない様にするに越した事はありません。
そこで、ここではその問題への対応方法として、「セッション前にセッションのスタイルを話し合っておく」事をお勧めします。
要するにプレイ前に、ゲームマスターを加えた上で、「今回のセッションはどんな感じのセッションにする」と決めてしまい、その中でプレイヤーの役割分担を行うのです。
例えば、マスターが「今回のセッションはちょっと暗めのファンタジーで行こうと思います」と宣言し、それに対してプレイヤーが「キャラクタープレイの介入の余地はあるかな?」とか「ギャグ系のキャラクターは入ってもいいかな?」と尋ね、それに対してマスターが答えを返したり、許可を出したりするのです。
これによって、少なくともマスターが宣言した雰囲気に近いセッションを行う事ができる様になりますし、プレイの方針(例えばデータ優先、キャラクタープレイ優先など)も決まってきますから、マスター/プレイヤーの間でスタンスの食い違いは発生しづらくなるはずです。
この方法ではセッション前に少々の時間を必要としますから、せっかちな人には不満に思えるかも知れませんが、プレイ中にマスター/プレイヤー間でプレイに関係ない論議を行う必要が無くなりますし、なによりも途中で喧嘩になる事が少なくなりますから、実際のプレイ時間はむしろ長くなるはずですし、バランス取りに要する手間が省ける分、プレイの密度は濃くなるはずです。
TRPGは結局コミュニケーションのゲームですから、人と人の食い違いによる問題は絶対に付いて回る問題ですから、それに対してちょっとでも対策を立てておくと、より快適に楽しいプレイが楽しめるのではないでしょうか。
さて、今回はちょっとした提案でしたが、プレイ前にスタンスを確立しておくというのも、また一つのTRPGの楽しみなのではないでしょうか?
事前に話し合いを持つ事で、きっと更に面白いプレイができる様になると思いますよ……?