078:ヒーローポイントの使い方

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 最近のTRPGでは、「プレイヤーの裁量で使用できる”物事を有利に進める為の”ポイント」という物が設定されている物が数多くあります。

 このポイントはさまざまな名前で呼ばれますが、最も一般的な名前を取って、ここではヒーローポイントと書きましょうか。

 そのヒーローポイントですが、大まかに分けて2種類のタイプがあります。

 今回は、その2タイプのヒーローポイントと、その使い方について、ちょっとだけ考えてみましょう!

 さて、おなじみのヒーローポイントですが、これは2つのタイプの物があります。

 1.使用する為に代償を必要としない物

 2.使用する為に代償を必要とする物

 前者の代表格は「ロードス島RPG」の「集中力」などが挙げられるでしょう。

 このタイプのヒーローポイントは、使用回数にこそ制限があるものの、基本的に何度使っても何の代償も必要としません。

 逆に、後者の代表格は「天羅万象」の「気合い」、あるいは「ガープス妖魔夜行」の「未使用CP」などがそれにあたります。

 このタイプのヒーローポイントは、成長や金銭など、何らかの代償を払う事により使用する事が出来るものです。

(「気合い」は「技能」を伸ばすのに使用しますし、「未使用CP」も技能や特徴を取得する為に使用します。これを使用する事により、キャラクターの成長に支障を来してくる訳で、逆に言えば「成長」を放棄する事を代償にヒーローポイントを使用している事になります)

 さて、前者のタイプのヒーローポイントの場合、基本的には使いすぎて後で使えなくなる事だけを心配しておけば問題ありませんね。

 このタイプのヒーローポイントの場合、「英雄になる人間というのはそれなりの加護の力を持っている物だ」という解釈のもと、「それでも運の尽きと言う物はある」という考えで作られている物ですから、ヒーローポイントを使う事こそが重要なのです。

 ヒーローポイントを使って成功させた行動こそがヒーローらしい行動という訳ですし、実際にヒーローらしい行動を取ろうとすればヒーローポイントの使用は不可欠ですから、どんどん使っていってかまわない物になります。

 逆に、後者のタイプのヒーローポイントの場合は、前者よりも注意して使わなければなりません。

 なぜなら、成長を犠牲にして行動している以上、それを使いすぎると成長が格段に遅くなってしまい、成長が遅い故に行動に失敗が多くなり、それをフォローする為にまたヒーローポイントを使う、という最悪の悪循環を起こしてしまうからです。

 このタイプのヒーローポイントは、あくまでも無理をして凄い行動をしているという事を表していますから、無理のツケは後に回ってくる事になるんですね。

 ですから、基本的にはヒーローポイントは使わずに温存する事が望ましいですし、その上でどうしても成功させたい場合に限り、使用する事になります。

 しかし、その分、ヒーローポイントを使っての行動の重みというのは増してきます。

 前者のポイントと違い、プレイヤー/キャラクターが考え抜いた末、何があっても成功させなければならないと判断した物だけに使用される訳ですから、前者のポイントのようには気楽には使えず、その分重要な判定にしか使われない、という事になるんですね。

 でも、これは逆にむしろ最高にヒーローらしい一瞬を演出するには最高の方法でもあります。

 このように、「ヒーローポイント」の種類が違うだけでも、使い方に違いがでてきますし、その使い方の差がゲームの雰囲気を変える要素であるとも言えますね。

 代償を必要としないヒーローポイントを持ったシステムの殆どが、ライト感覚のシステムであるという事も、この考え方を支持しているようにも思えます。

 さて、こんなヒーローポイントですが、貴方はセッションの時に、ちゃんとヒーローポイントを使っていますか?

 格好いい行動を約束する為のヒーローポイントですから、格好良いシーンで格好良く行動をキメてみたいものですね……?

この記事を書いた人 Wrote this article

如月翔也

 如月翔也です。TPGとアナログゲーム、PCが大好きな中年男です。このブログでTPGについて色々触れています。コメントを貰うと非常に喜ぶのでお気軽にコメントをお願いします。