このコラムを問わず、TRPG GigaFreaks!内ではよく「リアリティ」という言葉を使っています。
それは、あくまでも個人的な意見ではあるのですが、私が「TRPGにはリアリティが重要だ」と思っているためです。
むしろ、「リアリティが重要だ」というよりも、よりTRPGを楽しむためにはプレイヤーやゲームマスターを問わず、リアリティを重視する事がよりよい結果につながるのではないか?と思っているのです。
この点について、何故私がそう思うのかについてはまたの機会にお話をするとして、今回は「どうすればよりリアリティが出るか?」という事を考えてみたいと思います。
TRPGとは、基本的に幻想世界を舞台としたゲームです。
例えば、そのジャンルが現代物であれ、学園物であれ、TRPGの舞台はあくまでも偽物の世界であり、やはり幻想世界といえるのです。
これは、すなわちTRPGの舞台はフィクション物の小説や映画と同じ、「架空の世界」に根ざしているという事です。
では、フィクション物の小説や映画のように、フィクションでありながらリアリティのあるTRPGをすることはできないものでしょうか?
この仮定に対しては、実際の小説や映画に、その手法を見る事ができます。
小説や映画で使われる手法としては、リアリティを出す」ためにキャラクターの言動に「論理的・感情的を問わず、必ず整合性をつける」事をしているのです。
小説や映画では、あくまで「登場人物(=キャラクター)」に感情移入して貰う必要があります。
そのためにはキャラクターの行動を見せる(魅せる)必要がありますから、キャラクターの行動には必ず何らかの理由があり、それを読者(あるいは観客)に対してその理由をアピールしているのです。
このアピールによって、読者(あるいは観客)はキャラクターの行動の理由を知り、行動の整合性を知る事で、登場人物を「紙の上の存在」(あるいはXXという役者)ではなく、「〜という登場人物」として、リアルに感じる事ができる訳です。
この方法は、そのままTRPGにも流用する事ができる方法です。
本来的な意味ではTRPGでは「キャラクターを見せる(魅せる)」事は必要とは言えませんが、TRPGは大勢でプレイするものです。
そうすると、1人1人が自分のキャラクターの行動の整合性を考え、それを演じる事は互いのキャラクターの理解を深める手助けになりますし、互いがリアリティを出す事で、よりリアリティのあるセッションを作り出す事ができるのです。
こうして、よりリアリティのあるセッションをする事で、今までにない葛藤が産まれたり、考えた事のなかった「キャラクターの内面」にまで踏み込む事ができるようになりますから、よりTRPGを楽しむ事ができるのではないでしょうか。
架空の世界だからこそ、キャラクターにリアリティを求める事も、また楽しいものですよ。