044:システムを楽しむ

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 最近になって陰りが見え始めたとはいえ、いまだにTRPGというジャンルには様々な作品が存在しています。

 ジャンルで分けるとファンタジーやホラー、SF、学園物、現代物などのジャンルがありますし、各ジャンルにも相当の数のシステムが存在しています。

 ジャンルだけで考えるのであれば、ジャンル毎に1つのシステムさえあれば充分であるはずですが、現実としてはジャンル毎に色々なシステムがあり、それが様々に評価されています。

 今回は、その数多く存在する「システム」について、考えてみたいと思います。

 TRPGのシステムというのは、要するに「ルール」と「データ」の集合に過ぎません。

 「ジャンル」というのはデータの傾向に過ぎませんし、「背景世界」というのもデータに過ぎないからです。

 しかし、この「ルール」と「データ」という物は、TRPGの楽しさを左右する大きな要素がいくつも含まれているのです。

 「ルール」というのは、すなわちそのシステムで「できる事」・「できない事」、そしてその中間点である「できるかどうかわからない事」を表す指針です。

 「データ」というのは、そのシステムで用意された「道具」であり、「参考資料」でもあります。

 これは単体で考えるとごく普通の物ですが、この2つの要素を組み合わせて見ると、実に明確に「システムで表現したい物」が見えてきます。

 例えば、武器や防具のデータが多く、戦闘のルールが充実しているシステムは「戦闘」を楽しんで欲しいのでしょうし、逆に演技方針や演技による修正ルールが充実しているシステムは「演技」を楽しんで欲しいのです。

 あるいは、最初からキャラクターの戦闘能力が高いようなシステムは「戦闘」を楽しんで欲しいのでしょうし、キャラクターの背景データが多いシステムは「世界観」を楽しんで欲しいのでしょう。

 そして、システムというのは基本的に「表現したい物」を楽しむ為の物であり、それ以外の物を目指すよりも「表現したい物」を楽しむ方が格段に面白くなるように作られています。
(そうでない物はデザイナーに能力がなかったか、あるいは明確な目標がなかったかのどちらかでしょう)

 このように、システムを「読む」事によって、TRPGのデザイナーが「何を楽しんで欲しくて作った」かがわかりますし、それはすなわち「そのTRPGの売り」がわかるという事です。

 そして、「売り」に従ったTRPGをする事で、そのTRPGを正統に楽しむ事ができるはずですし、そのTRPGに対して正統な評価をする事ができます。

 同じジャンルのTRPGでも、表現したい物が違えば、それは全く別のゲームになりますし、別種の楽しみが凝縮されているはずです。

 せっかく入手したTRPGのシステムですから、その「楽しみ」を逃す事がないよう、「システムを楽しむ」事に挑戦してみるのも、また良い事かも知れませんね。

 みなさんも、1つのシステムにこだわらず、様々なシステムを楽しんでみませんか?
 きっと、今までと違ったTRPGの楽しみや、新しい視点について触れる事ができると思いますよ。

この記事を書いた人 Wrote this article

如月翔也

 如月翔也です。TPGとアナログゲーム、PCが大好きな中年男です。このブログでTPGについて色々触れています。コメントを貰うと非常に喜ぶのでお気軽にコメントをお願いします。