054:野宿

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 ファンタジーTRPGでは、目的の為に長距離を移動する事も少なくありません。

 その場合、パーティの魔術師が<瞬間移動>の呪文でも持っていない限り、主に徒歩か馬車、場合によっては乗用馬を使っての移動が主になります。

 しかし、大概の場合はキャラクターは乗用馬をもてる程の所持金に余裕はないでしょうし、街道の整備が悪い辺境地帯などでは馬車自体が通っていない事も多いでしょう。

 結局、キャラクター達は目的地までの長い道のりを、その2本の足だけで進む事となります。

 そして、徒歩で遠隔地に向かう場合、「野宿」をする事は避けられない運命でしょう。

 さて、この「野宿」ですが、冒険者にとってはある意味で必要不可欠な技術でもあります。

 この「野宿」の技術のないキャラクターは、長距離の旅の中でじわじわと体力を削り取られ、なにがしかのトラブルが起こった時、簡単に命を落としてしまいます。

 では、そうならない為に、キャラクター達はどのような点に注意をしなければいけないのでしょうか?

 まずは、食料と水の確保です。

 これはいつでも確保できるという類の物ではありませんから、保存食や水袋等を用意する必要があります。

 そして、睡眠をとる為の環境づくりです。

 地面に直接寝ると、地面からの冷えで体力を削り取られてしまいますから、マントや毛布を地面に引き、その上に寝ころぶという形になります。その上で身体に毛布を掛ければ、それなりに快適に眠ることが出来ますし、多少の体力の回復も行えます。

 また、安心して眠れるように、脇には焚き火を作り、常時1人が周囲を見張っているようにすべきです。

 山賊や夜行性の猛獣が火を見て接近してくる可能性は否めませんが、焚き火のない真っ暗な状況で猛獣の襲撃を受ける危険性に比べれば、明らかに焚き火をつけておく事は必要です。

 そして、交互に睡眠を取りつつ、1人が周囲に気を配る事によって、最低限の安全は確保されます。

 この2点に注意する事で、必要以上に体力を削られる事無く旅を続ける事ができます。

 旅慣れぬ素人がこの原則を知らず、長い旅路の途中で果てる事が多々ありますが、冒険者たるキャラクターが「ただの旅」で果てる訳には行きません。

 冒険者としての技術は、戦闘や魔法、探索や鍵開けだけに留まらず、旅の知識や技術なども含む、非常に大きな分野なんですね。

 このような知識はTRPGのプレイ上ではあまり役に立たない物ではあるかも知れませんが、このような事を知っているだけで、ただの野宿のシーンが想像力をかき立ててくれるようになりますよ。

 どうでしょう、貴方のキャラクターにも、「地面用」と「掛け布団用」の2枚の毛布を持たせてみませんか?

 これだけで、随分と旅慣れた雰囲気のキャラクターになると思いますよ……

この記事を書いた人 Wrote this article

如月翔也

 如月翔也です。TPGとアナログゲーム、PCが大好きな中年男です。このブログでTPGについて色々触れています。コメントを貰うと非常に喜ぶのでお気軽にコメントをお願いします。