さて、冒険者というのは「冒険を生業とする者」を指します。
従って、冒険者は生活する為の費用を稼ぐ為に、冒険という手段を選んでいる訳です。
しかし、冒険者は年中冒険している訳ではないはずです。
冒険が終わった後で体力を回復させる為の期間、あるいは冒険で負った怪我を治す為に養生している時間、仲間内で都合をあわせる為の期間など、冒険をしている期間としていない期間では明らかに「冒険していない」期間の方が長くなると言うのが自然な考え方でしょう。
それでは、冒険者は「冒険していない」期間はどのような日常生活を送っているのでしょうか?
収入を使う暇すらなく次々と冒険をこなすのは明らかにハードワークであり、身体が持たなくなるでしょうし、収入の大半を使った時点で次の冒険を探しても、見つからなければ飢え死にしてしまいますから、冒険者の生活というのは大体は次のようなサイクルになっているはずです。
1.冒険を行う。
2.冒険で得た収入で、それなりに楽しく暮らす。
3.冒険で得た収入をある程度使ってしまった時点で、次の冒険を探し始める。
4.新たに見つけた冒険に出発する。
さて、それでは「それなりに楽しく暮らす」間、冒険者はどうしているのでしょうか?
戦士や盗賊、あるいは神官や魔法使い(すなわち冒険者)というのは基本的に技術職です。
従って、だらだらと遊び暮らすだけでは身体や技術が鈍る一方で、少なくとも次の冒険で生き残る事を考えるのであれば、技術の低下を防ぐ為に最低限の訓練・鍛錬が必要になります。
ですから、「それなりに楽しく暮らす」間でも、皆、それぞれの訓練・鍛錬を行っているはずです。
そうすると、冒険者の戦士などは、冒険の収入を飲んだり遊んだりして使う反面、人目につかない所でひっそりと剣の素振りやイメージトレーニングに励んでいるという事になりますね。
しかし、これは実に格好いい事ですし、このような人物だからこそ、英雄の資格があるのでしょう。
この様に考えると、ファンタジーの世界でも、「努力なき者に栄光なし」という、実にわかりやすい概念が通用するという事ですね。
さて、今回は冒険者の日常生活について考えてみた訳ですが、いかがだったでしょうか?
これを応用して、「朝、戦士が日課である剣の素振りをしてる時に〜」等という、ちょっと洒落た導入などが考えられますね。
我々一般人に「日常生活」がある様に、TRPGのキャラクターにも日常生活があるはずです。
このような事をちょっとでも考えてみると、更にキャラクターが生き生きし始めると思いますよ……