059:上手いマスタリング

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 さて、TRPG経験も増え、色々なマスターとゲームを楽しむようになると、プレイヤーに上手い・下手があるのと同様に、マスターにも上手い・下手がある事に気づくのではないでしょうか。

 マスターというのはゲームの、いえ、TRPGの根幹を成す存在であり、どんなに素晴らしいシナリオでもマスターの力量次第では面白くなくなってしまいますし、逆にありきたりのシナリオでもマスターの力量があると非常に面白くなる、という事はよくある事です。

 そこで、今回は「プレイヤーから見た上手いマスタリング」について少し考えてみましょう。

 「マスタリング」というのは「マスターをする」という事であり、それはすなわち「シナリオを作る」所から始まって「プレイヤーをさばく」「キャラクターの行動を判定する」「物事の展開を決める」と言った、TRPGでの諸処の要素を全て含みます。

 ですから、「上手いマスタリング」というのは非常に大きな概念であり、これを個々に説明するとブ厚い本が1冊以上書けてしまうような内容になりますので、ざっとした説明だけをしてみましょう。

 プレイヤーから見ての「上手いマスタリング」というのは、簡単にまとめると以下のようになります。

 1.シナリオの内容、展開が面白く、しかも納得がいく物である事。

 2.キャラクターの行動を、納得できるように判定する事。

 3.プレイヤーの扱いを心得ている事。

 4.誘導や修正を「気付かれずに」行える事。

 つまり、フェアにゲームを展開しつつ、その上でプレイヤー/キャラクターをさばく事ができる、という事になります。

 これは、マスターが「完全に公正である」という事でもあります。

 シナリオ展開がマスターの独りよがりであった場合、プレイヤーは「知り得ない情報」に踊らされたり、あるいはマスターの1人芝居を見る事となってしまい、「プレイ」できません。

 特定のPCの判定だけが甘かったり、あるいは逆であるという事は「ゲーム」の根幹を危うくする事ですし、周囲や本人が面白くなくなってしまいます。

 また、プレイヤーの暴走や勘違いを上手くさばく事が出来ないと、結局は「ゲーム」ではなく「お祭り騒ぎ」だけのものとなってしまい、「TRPG」でなくなってしまうのです。

 そして、誘導や修正が明らかになると、プレイヤーが勘ぐったり、考える事をやめたりする原因となってしまい、ゲームから緊張感が無くなってしまうのです。

 つまり、「上手い」マスタリングというのは結局は「原則に忠実である」という事であり、その上で「そのマスターなりの特色」が上手く表現されている、という事なのです。

 これは、料理にも通じる物がありますね。上手い料理人というのは「調理の原則・基本」に忠実な上で、料理人ならではの特色を上乗せするのですから。

 そこから考えると、上手いマスタリングというのは、「よりよい材料(ネタ)」を、「原則・基本に忠実」に、かつ「オリジナリティ」を盛り込んで、1つの料理を作り上げる事と通じているのかも知れませんね。

 どうでしょう、貴方の周りには、そんな素敵なマスターはいないでしょうか?

 その人について、ちょっと学んでみると、とても良いマスタリングができるようになるかも知れませんよ……?

この記事を書いた人 Wrote this article

如月翔也

 如月翔也です。TPGとアナログゲーム、PCが大好きな中年男です。このブログでTPGについて色々触れています。コメントを貰うと非常に喜ぶのでお気軽にコメントをお願いします。