10.世界観変更や原作流用
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Baaaaaaaaaad Night! 最後の救世主にして世界を破滅に導くDJ-Devilだだだ! |
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アシスタントのAngelです☆ | |
さて、今日も早速お便り! の前に。 なぁ、Angel。やっぱ2〜3日に1回の更新って、無理があると思うぞ… |
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え…無理ですか? でも、週にたった3回の更新じゃないですか☆ |
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たった、って、お前… | |
世の中の大半の人は、週に5日以上働いているんですよ☆ その半分くらいの労働量なんですから、文句を言わない☆ |
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…問答無用だな、Angel。 | |
さて☆ 今日のお便りは、NET上のJACKさんからです☆ |
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… | |
だそうですよ☆ |
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取りあえず、わかるとは思うが略語の解説を先に。 | |
そうですね☆ | |
っつ〜か、お前が解説しろ。 普通、アシスタントの仕事は「相槌」と「締め切りの強要」じゃないと思うぞ。 |
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そうですか? 結構、好評なんですが☆ |
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…うるさい、とっとと解説する! | |
了解しました☆ SWは「ソード・ワールド・RPG」、MMは「モンスターメーカーRPGホリィアックス」の略、D&Dは「ダンジョンズ&ドラゴンズ」の略ですね☆ 全部、TRPGのシステムの名前の略語です☆ |
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さてと。 このJACKクンがオレに聞きたいのは、「世界観の変更」や「原作世界の流用」についての意見だな? |
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そうみたいですね。 | |
じゃあ、まずはJACKクンが自分で挙げている3つの例について、オレの考えを。 | |
はい☆ | |
最初のSWで現代物だが、これはジャンルが違うからやめておけって所だな。 少なくとも、現代のリアリティを求めるのであればソード・ワールドのルールはなじまない。 あくまでも、ソード・ワールドはファンタジー向けにデザインされているからな。 |
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はぁ。 確かに、クラス−スキルが現代に通用するとも思えませんし、魔法ルールや近接戦闘ルールが全然「現代物」を再現できない物になっていますもんね。 |
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そういう事。 で、続いて2番目のMMのシステムでSW世界についてなんだが。 これに関しては、世界観に即したシステムを使えって感じだな。 現代物とファンタジーほどの違いはないが、MMで求められるファンタジーとSWで求められるファンタジーは違うだろう。 特に、どっちのシステムもちゃんとした背景世界があって、その上で背景世界をも含めたルールの作りをしている訳だから、システムによって提供される世界に違和感が生じる事になってしまいかねない。 |
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これは…死にやすさとか、戦闘のウェイト、魔法の概念なんかがまるで違うから、やめておいた方がいい、という事ですよね? | |
まあ、そんな感じかな。 で、最後のD&Dで原作物についてだな。 その前に、グループSNEの「ロードス島」とこの3番の例は「合ってない」ぞ。 詳しくはこのコーナーの「その9」を参照してもらえばわかると思うが、ロードス島の原作は「D&Dのリプレイ」であって、それをプレイした時点では単なる「オリジナルワールド」に過ぎなかったんだ。 |
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そう言えば、前回、そんなお話をしてましたよね☆ | |
まあ、こまかいツッコミはおいておこう。 最後のD&Dで原作物については、個人の趣味で好きにすれば?としか言いようがないね。 ついでに言うと、やるなら原作に近い雰囲気のシステムを選んだ方がいいくらいしか言えないな(苦笑) |
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え? なんか、ここだけ話が薄くないですか? |
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まあ、そうなんだけどな。 基本的にオレは「原作物をしよう」という考えが理解できないから。 でも、その原作の世界がどうしようもなく好きで、そういう人達の集団の中でこっそりと「オリジナルワールド」として原作世界を流用する分には文句の言いようがないからね。 ただ、原作をもとにしたシステムがあるなら、積極的にそっちを使うべきだと思うけどね。 |
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う〜ん…今回は、まとまりませんねぇ… | |
そうだな。 じゃあ、オレがどういう考えに基づいてこの「3つの意見」を言ったかについて、話そうか。 多分、そっちの方がナンボかわかりやすいと思う。 |
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いいですね☆ それだと、私が後でまとめないで済みますし☆ |
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…給料分位は働けよ、Angel。 | |
じゃあ、相槌くらいは☆ | |
…さて。 ここからはぶっちゃけた話になるんだが、オレは基本的には背景世界込みで1つのシステムであるという考えなんだ。 確かに、D&Dの様に、「TRPGというシステム自体が真新しかった」時代の物であればルール方面でのアプローチで個別化を図る事ができたんだろうが、黎明期のシステム以降、殆どのシステムは「背景世界」によって個別化を図っているからだ。 |
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??? | |
つまり、TRPGのシステムも黎明期を過ぎてくると「どんなシステムであるか」だけでは個別化を仕切れない状況になって、「背景世界」という物にも力を入れるようになった、って事だ。 そして、「システムの内容」と「背景世界」を両立させていく内に、当然の論理的帰結として背景世界を取り込んだルールという物が成立して行く訳だ。 |
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…? 要するに、「背景世界」を「ルール」に取り込んでいるのが現状のTRPGシステムだという事ですか? |
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大雑把に訳すとな。 例えば、「ソード・ワールド・RPG」ではシャーマン魔法のルールとして「精霊が存在しない場所では使えない」というルールを導入しているだろ? |
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そうですね。 | |
それは、つまりソード・ワールドの世界では、精霊のいない場所では精霊魔法は使えない事を表している訳だろ? ロードス島やクリスタニアでは、どんな場所でも自由に精霊魔法を使える訳だから、それは逆説的に「ロードス島やクリスタニアは精霊が存在しない場所でも精霊魔法を使える」という世界法則を取り入れている訳で、すなわち背景世界をルールに取り込んでいるという事になるだろう? |
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なるほど、少しわかったような気がします。 | |
ちゃんとわかってくれよ(苦笑) とにかく、現状のTRPGシステムは「背景世界」と「ルール」の両方にウェイトがかかっていて、その結果、ルールは背景世界の一部を表すと同時に、背景世界はルールに取り込まれているという状況なのさ。 もっとわかりやすく言うと、背景世界とルールをセットで1つのシステムとしているわけ。 |
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要するに、ルールと背景世界は切っても切れない関係にある、と言う訳ですね? | |
そう言う事。 だから、AというルールにBという世界観を持ち込んでCというシステムにしようとしても、上手く行かない事が殆どだし、そもそも「背景世界」と「ルール」を作っているデザイナーに失礼だろ。 |
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失礼…ですかね? | |
オレは失礼だと思うよ。 ルールを勝手に変えるのと同じレベルで、背景世界を変える事にもリスクが存在するんだ。 そのリスクを調整して製品に仕上げるのがデザイナーの仕事なんだから、結局は人の仕事にケチをつける事になるだろ? |
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でも、原作物をD&Dでやるのには文句を付けないんですね(笑) | |
本当は付けたい所なんだけどね(笑) でも、仲間内で「この世界観、いいよね〜」って話してて、それが高じて「この世界観でゲームをしたい!」って思ったのであれば、そのための手段は残されていてしかるべきだと思うし。 だから、結局は気持ちの問題なんだよ。 |
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気持ちの問題、ですか? | |
うん。 「こんな世界で冒険したい!」っていう気持ちがあって、それを原作としたシステムがないから、という理由で、ルールを借りてくるのはギリギリでOK。 原作物のシステムがあるのならそれをすればいい訳だし、「こんな世界で冒険したい!」っていう強い気持ちがないのだったら、結局はシステムの変換作業が中途半端に終わるだろうから、最初からチャレンジする必要はないと思うよ。 |
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なるほど、今回は感情論に逃げる訳ですね? | |
逃げてないっつ〜の! だから、結局はオレの意見だろ!? オレの意見としては「基本的に反対」だけど、「それなりに理由があってする分にはOK」っていう意見なの! 後の部分はオレの意見のオレ的根拠だろ! |
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なるほど〜。 | |
結局、「気持ちの通じ合った仲間内」でやる分には何やったって人の迷惑にならなければOKだろ。オレが文句を言う筋合いでもないさ。 逆に、サークルとかコンベンションとかでは使用システムという共通認識の為にもルールの改変はすべきじゃないし、背景世界もルールの一部だから改変しない方がいいと思う、って事だよ。 |
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なるほど、丁度うまくまとまりましたね☆ | |
う゛っ… | |
それでは今回の「教えて、DJ-Devil!」はこの辺で☆ 次回更新は2日後を予定してます☆ |
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2日後かぁ… | |
JACKさんだけで3通もお便り頂いてますし、他にもありますから、忙しいですよ☆ | |
勘弁してくれよ、全く… | |
愚痴をこぼしている時間があったら原稿書きましょうね☆ | |
…凶悪な天使もいたもんだ。 | |
昔から天使は悪魔に厳しいって相場が決まってるんですよ☆ | |
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