2016年 date

【日想】090:オフセをしない一年でした

一年は早いもので、もう年末ですね。 今年はみなさん良いセッション環境で過ごせましたでしょうか? 私は昨年お世話になっていたサークルが活動を停止したのに合わせてオフセッション環境がなくなり、今年は一年一度もオフセッションをしないで終わってしまいました。 まあ10年前とは違い、今はオフセができなくてもオンラインでセッションする環境が整っているのでオフセ環境がないとTRPGでは干上がってしまう、という事はなくなっているんですが、オンセはオンセで楽しいようにオフセはオフセで楽しい部分があるので、どちらの環境もある方が良いですよね。 私も来年はどこかのコンベンションに出かけるか、あるいは私のよ……

【日想】089:アクチュアル戦闘に見る「ロールプレイ」

TRPGの「R」はロールプレイングのRですが、この「ロールプレイ」って色々な意味合いがありますよね。 ロールプレイというのは厳密に絞り込んだ意味で言うと「社会における役割演技」という部分になるのですが、それ以外でもキャラクターの人間性を示す言動の宣言全てはロールプレイと言えますし、あまり狭い意味で捉えるのではなく「キャラクターを表現するのがロールプレイである」(「演技」にすら捕らわれず)くらいの意味合いで考えておくと色々楽しめると思います。 しかし今回は戦闘時におけるパーティ(社会)の役割演技であるロールプレイについて考えてみます。 一般的に戦闘では攻撃役、防御役、援護役の三種類に別れ……

【日想】088:シーン外の使い方

シーン制のTRPGシステムって「出番」と「オフ」がはっきりしていて便利なんですが、シーンに出損なうと何も出来なかったりするので良し悪しではあるかも知れません。 さて、そんなシーン制の利点ですが、「場面に出ている」のと「場面に出ていない」ので動画的な処理が可能というか、シーンに出ていないキャラクターも「シーン外で何かしていたかもしれない」という含みを持たせる事が出来るのが大きいんですよね。 これを使うと、例えばキャラクターがピンチの時に別のキャラクターが「自分は前のシーンにいなかったので、その間に〜〜をしていた事にして助けてもいいですか?」と宣言する余地があるんですよね。 このあたり許可……

【日想】087:GM側からの開示も必要

プレイヤーの時もそうなんですけども、特にGMをしている時ってプレイヤーに対して何がしかの仕込みをしている事が多く、場合によってはプレイヤーに対して歯切れの悪い回答を返さざるをえない場合もあります。 しかしそういう場合、大体歯切れの悪い回答をするとプレイヤーが勘ぐって余計に突っ込んでくるか、もしくは萎縮してしまってプレイが重くなる場合があるんですよね。 こういう時、プレイヤーサイドでプレイしているのと同じく、GMとしてもプレイヤーに情報を開示していく事が正解である場合が多々あります。 もちろん気づかれずに仕込みが上手く出来て、ネタばらしも上手くできれば最高なんですが、それにこだわってプレ……

【日想】086:首ナイフ問題に見るシーン割りの問題

今はもうあまり見かける事のない古い議論の中に「首ナイフ問題」というのがあって、敵がNPCを人質にとって首にナイフを押し付けている場合、普通のルール適用ではナイフの単体ダメージではNPCは死なないので突撃するという選択肢をとり得るがどうすべきか、という問題がありました。 何故過去形かというとこの問題、「シーン制」を導入すれば解決するからです。 首ナイフ問題の問題点は「普通首にナイフを刺されたら死ぬ」「しかし戦闘ルールのナイフのダメージでは一撃死はしない」「GMは突撃以外の選択肢を取って欲しくて場面を展開している」という部分なんですね。 そしてこの中で一番大きいのは「GMは突撃以外の選択肢……

【日想】085:モンティ・ホール問題を考える

結構昔の話なんですが、経験点やゲーム内のお金などについて、景気良く払い出すGMと渋いGMでは同じ回数セッションしても得られる結果が大きく異なる、という問題をモンティ・ホール問題と呼んで色々考えていた時期があります。 今はそのあたり経験点はレコードシートで自動的に計算されたりそもそも1セッションで成長できる限界が決まっていたりで解消されていますし、ゲーム内のお金についても常備点計算などで解消されている部分もあるんですけども、そういう回答が用意されていないシステムもあり、やはりその点ではモンティ・ホール問題は生き残っていると思うんですよね。 しかしまあ、この問題への最終的な回答で言えば、「経……

【日想】084:自分用のオンセスペースがあるとすごく便利ですよ。

オンセでTRPGを遊ぶ人も結構いると思うんですけども、オンセをするにはどどんとふだったりIRCだったりが必要で、どどんとふの場合オンセスペースが必要になるので、誰かが公開しているのを借りるというのが一般的だと思います。 このTRPGGigaFreaksでも一般公開用のどどんとふサーバーを立ち上げているので、オンセをする時には是非ご利用下さい。 しかし、人のスペースを借りるというのは人の都合に合わせる事とイコールなので、他の人がいるせいで重かったり、プレイ予定の日にメンテナンスがかぶさったりというトラブルは一定数あるんですよね。 そういう時、一番良いのは自分でオンセスペースを作ってしま……

【日想】083:全員に振ろう

これはGMプレイヤーどちらでも言える事なんですけども、TRPGをプレイするにあたって、全てのプレイヤー・キャラクターと触れられるようにプレイするのが大事です。 プレイヤー間、あるいはGMプレイヤー間のセッションで、特定プレイヤーにだけ接触が濃い、特定プレイヤーにだけ接触が浅いという傾向になってしまうと、プレイ時の満足度に悪い影響を与えかねない結果になります。 それがGMであればプレイヤー番号に関わらずある程度全員に話を振れるようにしておくべきですし、プレイヤーであれば特定キャラにだけ接触するのではなく全部のキャラに接触を取れるようにプレイするというのはとても重要なので、忘れないように意識……

【日想】082:プレイルームは綺麗に使いましょう

最近当ドメインへのアクセスが過多なようで一方的にアクセス遮断を受けてサイトマスター自体が接続できなくなっておりました。申し訳ありません。 多分ホームページへのアクセスよりもどどんとふへのアクセスが重いと思うので、もしかしたら接続数をもっと絞るかも知れません……。 さて、オフセでTRPGをプレイするにはプレイする場所が必要です。 大体においてカラオケだったり誰かの家だったり公民館の部屋だったりを使ってプレイするパターンが多いと思うのですが(ショップのプレイスペースでプレイする人も多いかな?)、まあどこでプレイするにせよ、プレイする場所は綺麗に使うのが大事ですよね。 それが誰かの家であれ……

【日想】081:言った言わないをしない

TRPGにおいて行動宣言って結構重要なんですが、宣言を処理している間にGMの中に抜け漏れが出て、宣言した事を忘れ去られてしまったり、あるいは進行の中で「そんな宣言したっけ?」という風になってしまったりという事が一定数あります。 もちろんオンセでテキストチャットだと記録が残るので言った言わないには最終的にはならないで済むんですが、そうじゃなく普通にオフセ・オンセでもボイスチャットだと証拠が残らない(録音しててもそんな事では聞き返さないですよね)ので、最終的にGMと言った言わないの押し問答になる事があります。 こういう時は一番良いのはGM・プレイヤー間で信頼関係が成り立っていて、「プレイヤー……

【日想】080:ダメ出しを求められたら

TRPGのセッション後、プレイの感想戦何かをする時に感想というか、ダメ出しを求められる場合ってたまにありますよね。相手の方がすごく真面目な人なんかだとその傾向があるように思います。 しかしダメ出しを求められたからと言ってそのまま真顔でバンバンダメ出しするのも雰囲気が悪いし、そもそもダメ出しする立場じゃないし、みたいな感じでどうすればいいかと思う場合もあると思います。 そういう時は、基本的に自分の立場はおいておいて、「自分の好みとしてAが凄く良かった、BはCにするともっと素敵だったと思う」という言い方が出来ると凄く良いと思います。 もちろんダメ出しする立場じゃないのは当然として、自分の好……

【日想】079:ライクはその場で投げよう

TRPGのプレイにおいては互いにリスペクトを忘れてはいけないんですが、セッション終了時などにまとめてリスペクトをしようとすると抜け漏れが発生してしまいます。 せっかくリスペクトが湧いたのであれば、そのライクはその場で投げてしまった方が抜け漏れがなく、褒める・褒められる回数も増えるのでゲームがより良く進行するようになります。 とは言えロールプレイの最中に素に戻って「良いね!」とは言いづらいですしそれはそれで進行を折る事になりかねないので、その場でサムズ・アップしておいてセッション後にもう一度ライクを投げる、くらいにすると非常にスムーズでかつ良い環境につながると思います。 基本的にセッショ……

【日想】078:フィードバックは重要

日想を毎日のようにうんうん唸って書いていると思うんですけども、こういうのって見ていてくれる誰かからフィードバックがないと続かないというか、心が折れるんですよね。PVが一定数あって見てくれている人は一定数いるようだというのはわかっていても、直接見える感想とか応援とかがないと孤立無援な気持ちになってしまうのです。 同じように、TRPGにおいてはGMさんもプレイヤーさんも「同席プレイヤーからのフィードバック」がないとつらい気持ちになるというか、「これから頑張ろう」というガソリンに欠けてしまう恐れがあります。 もちろん前のめりにTRPGをプレイしていて、「TRPGをプレイできる事自体がもうご褒美……

【日想】077:選択は強制ではない

TRPGに限らない話なんですけども、ある状態において選択肢が幾つか提示された場合、その選択肢から選択するのは基本的に権利であって義務ではなく、「選択しなければならない」状態ではないのがほとんどです。 切迫した状態で何人かと相談した結果選択肢が幾つかに狭まった場合、そこから選ばなければならない気分になりますが、その選択肢に加えて「推移を見守る」「状況を見てもう少し考える」という選択肢は常にあるので、どうしても選択しきれない場合には選択する事を先送りにするという方法もあります。 まあ選択を先送りにすると問題が悪化したり選択肢が更に少なくなる可能性もあるんですが、それでも「先送りにする」という……

【日想】076:特化しないキャラがいても良い

TRPGにおいては適正人数でプレイする場合って、大体各種のスペシャリストを集めてスペシャルチームを組む感じになると思うんですけども、それは利便性からであって、別に特化しない平均能力のキャラがいても良いんですよね。 というか、特化型のスペシャリストが一通り揃っているのであれば、狙って平均型のキャラを作ってもいいくらいだと思います。 これは何かというと、特化型のキャラクターって特化している場所以外壊滅的に駄目な傾向にあるんですが、しかし逆に特化した分野で必ず大活躍できるかというとダイス目や設定上出来ない場合があったりするんですよね。こういう時に二番手として登板できる平均型のキャラが居るとあり……

【日想】075:セッションの最小不幸

以前取り上げた日想の中に、セッションの成功とは「最大幸福」と「最小不幸」だと取り上げていて、その他にセッションにおける最大幸福については触れたので、今回は最小不幸について考えてみようと思います。 セッションにおける最小不幸というのは、ほぼイコールで「セッションへの参加不能時間の最小化」だと言えます。セッション参加において最大の不幸はセッションに参加できない事だと言えるからです。 では「セッションへの参加不能時間」とは何か、というと、GMを独占できない時間、というわけではなく、ぶっちゃけて言うと「プレイから置いて行かれている時間」だと言えます。誰かがGMを独占していても、その状況を楽しめて……

【日想】074:スムーズなプレイと最短のプレイはイコールではない

TRPGをプレイする時、できるだけプレイ密度を上げるために可能な限り「スムーズなプレイ」を意識すると良いです。 しかしこの「スムーズなプレイ」って意識の仕方が悪いと逆に良くないものにもなるんですよね。 例えば戦闘中に自分の手番が来る前に何の行動をするか考えておいて、ダイスへの修正値を先に計算しておくのはスムーズなプレイにつながるんですが、しかし相手の行動や仲間の行動を聞かないと行動が決められない部分もあるので、最適解としては「幾つか想定を作っておいて計算しておき、実際に行動する時に違う行動になったら計算し直す」だったりします。 同じようにセッション中の自サイクル行動も決められるものは決……

【日想】073:リスペクトを持ってセッションに参加しよう

TRPGにおいて、プレイヤー同士、あるいはプレイヤーとGMの間で互いにリスペクトを持ってプレイするのって凄く大事なんですけど、それって結構意識しないでできていたりしますよね。 もちろん意識しないでできているのであれば問題ないんですけども、明確に意識してリスペクトを投げあうと互いに気分がいいですし、楽しくプレイできます。 そして、プレイヤー・GMの立場を離れても、リスペクトは大事です。 セッションの会場を確保してくれた人・会場を提供してくれた人、全員のスケジュールを調整してくれた人、皆の食べ物・飲み物を用意してくれた人、セッションで使うシート類を準備してくれた人、そういう色々な人がいてセ……

【日想】072:もっと遊びたいので誘って下さい

日想というか、まあ思った事を素直に。 ここ2年ほどでオフラインでTRPGを遊ぶ場所を次々と失ってしまい、今はオフラインでTRPGをする場所がないので、主にTRPGはオンラインセッションで遊んでいるんですけども、たまにはオフセも遊びたいんですよね。 オフセもそうなんですけども、オンセも遊ぶシステムが固定化されつつあって、新しいシステムや別のシステムを遊ぶ機会が狭まっているような気がするので、違うシステムをも遊びたいな、と思うのです。 まあどっちにせよ「お前が動けよ」っていう部分なので、自分でも動いてみたいと思うんですけども、みなさんも機会があったら誘って下さい。 お誘いがあればdark……

【日想】071:誠実なGMであるために

TRPGにおいてGMであるために誠実というか、「明確な嘘をつかない」のってセッションのコンセンサスとして非常に重要なんですよね。 GMが操るNPCはどれだけ嘘をついてもいいんですが、GMが「明らかな嘘」を言うのはGMへの信用を落とし、セッションの満足度を下げる原因になるのでできるだけ避けたいものです。 しかしまあ、シナリオの都合で「今気づいてもらっては困る」物を調べられたりする場合など、つらっと「何もなかった」事にしたい場合ってありますよね。 そういう時、「何もなかった」と宣言してしまい、後で何かあったらプレイヤーも非常に納得がいかない結果になってしまうので、普段から何か言われたらダイ……

【日想】070:2d6で5以上

まあ特定のゲームシステムを指してしまうんですけども、ダイスロールで「2d6で5以上」を出すのは「簡単」だと思いがちなんですが、意外とそうじゃないというお話をしようと思います。 2d6で5以上を出すのはダイス目が36通りあるうち30通りで成功になるので、成功率は5/6、およそ84%です。 84%成功するというと楽勝に思うんですけども、実際にダイスを振ってみると思った以上に失敗する実感があると思います。 これは確率論で言うとわかりやすくて、2回連続で5以上を出せる確率は84%の84%で、実際には70%、逆に言うと3割の人は2回ダイスロールしたら片方は失敗なんです。 そして1セッションで3……

【日想】069:最小公倍数のセッションだって良い

TRPGって色々な楽しみがあるので、その中から「今日はどこをピックアップしようか」と選んでセッションを組み立てる事がわりとあると思います。 また、集まったプレイヤーの各自の趣味を持ち寄って、そのなかで最大公約数的な部分に絞り込んでセッションを構築する事があると思います。 どちらもセッションを円満に運営するにはとても良いテクニックなのですが、逆に言うと円満には運営できるものの意図して「選択しない」部分があるので、物足りない部分が出てくる場合もあります。 こういう場合なんですが、基本的に初回顔合わせのメンツでもない限り、ある程度お互いの顔がわかっているのであれば、最大公約数にこだわらず皆の……

【日想】068:シナリオ作りの自戒

この記事は誰か向けというよりも自分向けの内容なんですが、共有する事で何か意味があるかも知れませんのでアップしてみます。 私はわりと長くTRPGをプレイしている自覚があって、GMの回数もそれなりにこなしていると思うんですけども、GMを何回もしてる内にシナリオの作り方が雑になるというか、方法論が固定化されていく感じがあるんですよね。 それで自分の傾向で言うとシナリオって「物語」のコアだと思っている嫌いがあって、シナリオ作成=物語を作る、という傾向になっているんですよね。 しかしこの傾向が厄介で、物語ができればシナリオなのかというと答えはノーで、物語のバックボーンも重要なんですがゲームとして……

【日想】067:セッションのコツ

今日はちょっと軽めのお話をしようと思います。 個人的にGMにせよプレイヤーにせよTRPGのセッションに参加する時、「楽しんで帰る」ために2つほどコツが有ると思っていまして、それは「ハードルを上げない」と「乗れるものには乗っていく」の2つなんですよね。 「ハードルを上げない」というのは自分にせよ他人にせよ、「こうであって欲しい」という敷居を上げない事で、これってぶっちゃけダイス目が悪ければ敷居は超えられない瞬間が出てくるので、敷居は低めにして「敷居を越えた!」という喜びを多くした方が、敷居を高くして「失敗した!」という結果になるよりポジティブだと思うんですよね。 そして「乗れるものには乗……

【日想】066:GMさんに対する気配り

TRPGをプレイする時、特にプレイヤーという立場でプレイする時には、相手方にGMさんがいるのが普通です。 そしてTRPGにおいては大体の場合プレイヤーが複数名なのに対してGMさんは1人なので、GMさん側に負担が集中する傾向があります。 なので、プレイヤー参加する時にはGMさんにちょっと気配りをしたいですね。 いや、何かを買っていけだとかちやほやしろという訳ではありません。 ただ、例えば何かを宣言する時にちゃんとGMに呼びかけてから宣言する(「はーい!」と手を挙げてもいいですね)だとか、GMさんが話している時には遮らない・被さないだとか、GMが何か指示を出した時には最優先にそれを処理す……

【日想】065:楽しいとは「次もやりたい」なのでしょう

TRPGって楽しいですし面白いんですけども、じゃあ「その場において常に楽しくなければ・面白くなければTRPGじゃないのか」というとそうでもないと思うんですよね。 悪役が出張ってきて散々悪さをするシーンは気分の良いものではないでしょうが、そのシーンがあるからこそ悪役を倒すモチベーションに繋がり、そして実際に戦う事で高揚感を得て勝利する事で楽しさを感じるわけで、「気分の良くない」シーンも実際にはあとで落差によって楽しみを生み出すためのTIPSだったりするわけです。 そしてキャンペーンなどだと1セッションで「落差」の楽しい部分が来なくて次回以降に持ち越し、というパターンもあるだろうと思いますの……

【日想】064:TRPGは対立構造の解消がメインだと言えます

TRPGのシナリオというかセッションって、徹底的に分解していくと、「何かの対立構造」を「何かの手段」で解決して行く事を積み上げていく遊びなんですよね。 例えば戦闘で勝敗を決めたり行為判定で結果を出したりというのも「勝つ・負ける/できる・できないの対立構造」を「ルール」で解決して行く事につながりますし、キャラクターのロールプレイも「そうであり続けるために」何かをする、「良くない何かを取り除くため」に行動をする、という感じで、結果的に「何かに挑戦して結果をもぎ取る」という構造をベースに遊んでいくものだと言えると思います。 そういう遊びだと考えると、逆にプレイヤーなりゲームマスターなりをすると……

【日想】063:シナリオ作成時に注意したいこと

今回はゲームマスター向けのTIPSなんですけども、シナリオを作成する時って色々考えますよね。 そんな中で皆があまり意識していないというか、意識しなくても出来ている場合が多いんですが言語化しておくのも大事なので書いておくと、「シナリオに参加するキャラクター全員に出番があるか」という部分に注意しておくといいですよね。 事前にPCでを作っているパターンであれば背景設定込みで「キャラクターが積極的にシナリオに関与できる切っ掛けがあるか」「キャラクターの得意分野を使う展開はあるか」「キャラクターの苦手分野を誰かに頼む展開はあるか」と言った部分がしっかり出来ていると非常に参加しやすい良いシナリオにな……

【日想】062:意図的にトスを上げる

TRPGをプレイしている時に、自分の出番や自分が生きる場面なんかには意外と気づいて動けたりするんですが、同じように人の出番や他の人が生きる場面に気づいてトスを上げるのって難しいんですよね。 しかし、自分がプレイしていて何かのネタを自分にトスして貰えれば嬉しいと思うでしょうし、実際そうやって互いにトスをあげられると一つのネタに関わる人数も増えるのでいい事ばかりなんですよね。 誰かの得意分野が出てきた時に「こういう時はXXの力が必要だな!」の一言を添えるだけで自分も場面に登場できますし、ネタを振られたプレイヤーも嫌な気持ちにはならないだろう部分なので、やりすぎてウザくならない範囲でどんどん活……

【日想】061:テキチャで注意したいこと

昨日はボイセの注意点を考えたので、今日はテキチャ(テキストチャット)でのセッションの注意点について考えてみましょう。 テキチャの場合、基本的にテキストのやり取りでしか情報が行き来しないので、ボイセに比べてもコミュニケーションが難しくなります。 しかしその分セッションログを読み返して楽しんだり、プレイ中に先だっての情報を確認し直せるなどの「文字として情報が残る」アドバンテージがあるので挑戦する価値は十分にあります。 チャットでセッションを行う場合、基本的に文字を入力しないのはゲームに参加していないのと同義なので、「考えています」「悩んでいます」などのプレイヤーのステータスの申告をこまめに……

【日想】060:ボイセで注意したいこと

今回はTRPGのオンラインセッション、その中でもチャットを使わずに実際に声でプレイするいわゆるボイセの注意点なんかを考えてみようと思います。 ボイセはオンラインセッションの中ではオフラインセッションに近い形でプレイできるので自然にプレイしやすいんですが、「声だけのプレイ」という部分で他のセッションとは違う部分もあります。 例えば、オフラインセッションでは頷いていれば「同意している」のは伝わるんですが、ボイセでは頷いているのは見えないので「頷いています」という宣言や「同意です」という宣言をしないと同意している事が伝わりません。 同じく姿が見えないのでセッションにちゃんと参加しているかが見……

【日想】059:GMにも譲りましょう

TRPGのセッション中、特定のPCの行動を決めるのにみんなで色々考えて行動を決める、というのはわりとあると思います。 もちろん、自分だけで考えて行動するのも全然問題ないですし良いのですが、特定のシチュエーションに対してみんなであれこれ考えて決めるのも楽しいものですよね。 そうやっていろいろ考えて、「できる」ようにするのは結構簡単にみんなでできると思うのですが、逆に「できない」をみんなで考えるのってあんまりない感じですよね。 皆で色々考えた結果何かをするとして、GMさんが「駄目、できない」と宣言した時、皆で考えたのもあって出来る方向にゴリ押ししがちだと思うんですけども、こういう場合GMさ……

【日想】058:短所のあるキャラの方が使いやすい

TRPGでキャラクターを作る時、「全体的にそこそこ行けるけれども長所も短所もないキャラ」と「大きな長所と大きな短所のあるキャラ」だと、後者の方が使いやすいし周囲もいじりやすいですよね。 コンピューターRPGなど一人で遊ぶ時には「大きな短所」があるとそれだけで辛いんですが、人数が集まってプレイするTRPGだと各キャラクターがお互いの短所を補い合って行動する事ができるので、そこそこのキャラクターが集まっているよりも良い結果を出しやすかったりする事が多いと思います。 こういうキャラを作る時は周囲に相談しながら作って、意識的に互いの短所を埋めるように作れると非常にスムーズにゲームができるので良い……

【日想】057:対人ゲームなのでどうしようもない時もあります。

まあTRPG関係で事実としてはあるんですがあまり語られない話として、「TRPGは対人ゲームなので、相性問題で【どうしようもなく面白くない】ゲームになる事がある」、というのはあるんですよね。 相手がそもそも終わっているプレイヤーだったという場合もそうなんですけども、そうでなくても相性が悪くて何をやってもぶつかってしまうプレイヤーさんと同席する事も決してなくはないです。 これはもう対人ゲームなのでどうしようもない問題で、そうなってしまった場合は可能な限り衝突を避けて周囲のプレイヤーに迷惑をかけないようにするくらいしかやりようがないです。 ですが、TRPGって情緒を使うゲームでもあるので、T……

【日想】056:GMは敵じゃないので

TRPGは基本的にゲームマスターとプレイヤーの2サイドに別れてプレイしますが、ボードゲームと違ってゲームマスターもプレイヤーも敵対関係ではないんですよね。 セッションで一生懸命にプレイしているとGMの出す課題・問題が厳しすぎてGMが敵のように思える事もあると思うんですけども、基本的にはGMもセッションにおいて「全員が楽しむ」という目的を共有する同盟プレイヤーなので、必要以上に敵対視したり、隠し事をしたり罠に嵌めたりするのはやめておいた方が良いと思います。 ぶっちゃけてしまうとGMってゲームにおける全権を委任されているプレイヤーなので、普通に敵対したら勝てるわけがないんですよね。ルール改変……

【日想】055:体調不良の時には無理をしないでおきましょう

TRPGって1日かかる趣味ですし、人数もある程度揃わないと遊べない遊びなので、実際に遊ぶには定期的に機会を持つか、あるいは調整の上で日程を決めてプレイする事が多いと思います。 (まあ今はネットでワンオフを日程優先で遊べるので一概にそうだ、とは言いませんが) しかし予定を立てておいても、実際にその日になってみると体調不良だったりする事もあると思います。 大体の場合は予定を優先して遊ぶ事になると思うのですが、そういう時に無理をすると十分に楽しめなかったり、途中で本当に具合が悪くなったりと良くない結果になる事もありえます。 もちろんベストなのはそもそもその日程で体調不良にならない事ですが、も……

【日想】054:たまにはメンツを変えても楽しいですよ

TRPGってメンツの遊びでもあるので、良いメンツに恵まれたセッショングループに所属していると、本当に幸せですよね。 一度良いセッショングループに所属すると、もうずーっとこのメンバーで良い、このままずっと遊んでいたい、という気持ちになると思います。 もちろん、そういう気持ちも良いものですし、そういうメンツに恵まれたのは幸運なので感謝して遊べば良いと思います。 しかし、それとは別に、メンツを変える事でプレイ感覚が変わったりセッションの中身ががらっと変わる事があるので、それを試してみるのも悪くないと思います。 試した結果楽しければ最高ですし、そうじゃなくても「今のプレイグループが良い」と再……

【日想】053:シーン制TRPGに見るプレイヤー視点

今日はTRPGのプレイヤーとして遊ぶ時に必要となる2つの視点をシーン制TRPGで考えてみようと思います。 基本的にTRPGはキャラクターを通して世界を動かすゲームなので、TRPGをプレイヤーで遊ぶ時にはまずプレイヤーキャラクターの一人称視点が必要になります。これがないとゲームがプレイできません。 そして、もう一つの視点としては、他キャラクターのシーンやマスターシーンを眺めるプレイヤーとしての三人称視点が必要になります。 普通のゲームでこの一人称視点と三人称視点の両方を求められるゲームって意外とないので、TRPGってその部分では特殊なんですよね。 しかしこの2つの視点があるからこそ、キ……

【日想】052:楽しいなら買いましょうよ

今回はちょっと重いというか、人によっては嫌に思うかもしれないお話を。真面目にTRPGを考えると避けては通れないお話なので、ぜひおつきあい下さい。 TRPGって、集団でプレイする場合ルールブックが最低1冊あれば遊べちゃうんですよね。そういう意味ではルールブック単体は決して安くはないんですが、コストパフォーマンスで考えると決して高すぎるものではないと思います。 しかし、あえて言うんですが、TRPGを楽しいと思ってプレイしているなら、そのシステムは1人1冊買いましょうよ、と思うのです。 もちろんお小遣いに自由がない中でどこにどれだけお金を配分するか、という問題はついて回るのですが、ゲームソフ……

【日想】051:ピンゾロの後にピンゾロを振る可能性は三十六分の一

凄く基本的な話なのですが、TRPGってランダムの遊びなので確率論が通用するんですが、この確率論という奴が厄介で、マクロでみるとそうなのにミクロでみると信用出来ないんですよね。 例えば、2D6のダイスロールを2回するとして、今から2回連続でピンゾロになる可能性は1296分の1なんですが、いざピンゾロを振ってしまった後のダイスロールではピンゾロが出る可能性が36分の1のままなんです。 なので「今ピンゾロを振ったから禊は住んだだろう」くらいに思ってダイスを振ると時折酷い目にあうんですよね。 ゲームマスターとしてプレイに参加する場合も、ピンゾロでピンチになった直後にまたピンゾロで無事死亡する可……

【日想】050:無理な時は無理と言おう

プレイヤーの時もGMの時もそうなんですけども、たまに自分の考えの斜め上を行きすぎていて対応ができない案が出てくる事があります。 こういう時、無理をしてでもその案を通そうといて頑張ってしまう事もあるんですけれども、本当にどうしようもない、キツい、という時はギブを上げるのも一つの手だと思います。 GMなら「その案は自分が処理できる自信がないのでやめて欲しい」とはっきり言ってしまう、プレイヤーなら「自分では解決つかないので他のみんなからアイディアが欲しい」とはっきり言ってしまうのが良いでしょう。 そもそもTRPGは対決するものではないですし、楽しくやるのが目的でトンチ合戦をするのが主眼ではな……

【日想】049:セッションに寄与できるキャラクターを作ろう

今回は主に熟練者の人には関係のない話になるのですが。 TRPGでキャラクターを作る時、そして演じる時、「どういうキャラにすればいいだろう?」と思う事があると思います。 そういう時は、今しているセッションに何らかの形で寄与できるキャラクターを作るのが手っ取り早いと思います。 パーティに欠けている能力があるのであればそれを埋めるキャラクターを、背景設定はシナリオに絡みに行きやすいものを、と考えて作ると、セッションに参加しやすく絡みやすいキャラクターができると思います。 もちろんあえてパーティに欠けている部分を残すのもテクニックですし、「巻き込まれ型」で自分から積極的に絡みに行かない遊び方……

【日想】048:いわゆる迷惑プレイヤーと同席してしまった場合

クローズな環境でTRPGしている場合はあまり気にしなくてもいい問題なんですが、オープンな環境でTRPGをしていると避けられないのが「迷惑プレイヤーと同席してしまう」という問題です。 迷惑プレイヤーとは概ねプレイの進行に寄与せず、むしろセッションの満足度を下げてしまうようなプレイヤーを指します。 いわゆる迷惑プレイヤーと呼ばれる人は、大体の環境に定着できないので常に新しい環境を求めており、オープンな環境を見つけると入ってくるので、オープンな環境を提供しているのであればある程度出会う事になってしまいます。 こういうプレイヤーさんと同席してしまった場合、一日がつまらない結果になりかねないので……

【日想】047:狙って撃つなら意図を共有しよう

セッションで何かを狙ってする時に、GMや他プレイヤーに仕込みを話さずに進行して、いざその場面で仕込みを開放する、というのはよくある「上手くやった」「格好いい」シーンですよね。 しかし、狙って何かをするのは難しいですし、開放した時点で仕込みが生きているのも難しいですし、隠しているせいで他プレイヤーがGMが怪訝に思ってプレイが中断したりする場合があります。 せっかく狙って撃とうとしているのに中断したり仕込みが生きなかったりするのは悲しいので、できるだけ仕込みが生きるようにプレイしていきたいものです。 そういう場合、基本的にはサプライズ感はなくなってしまいますが、仕込みをする意図をちゃんと共……

【日想】046:セッションは鍋パーティと一緒

TRPGについて色々考えてみているんですけども、ちょっと思った事として、セッションって鍋パーティに似ているな、と思うんですよね。 GMが家主で基本的な味はGMが決める、プレイヤー参加者は各々で自分が食べたい具材を持ち寄って鍋に投入し、お互いに持ってきたものをつつきながら楽しくやるのが目的、と考えるとかなり近いなと。 そして、たまにプレイヤーの1人がとんでもない具材を持ってきて驚いたり、その具材が予想以外に美味しくて喜んだり、という部分もそうですし、そういう事をした人を見て羨ましく思って自分も、と突飛もない物を持ち込んで失敗して鍋を台無しにしてしまう部分も似ていますね。 多分、鍋もセッシ……

【日想】045:キャラのモチーフのとり方

TRPGでキャラクターを作る時に何かからモチーフを取る事があると思います(ないという方はそういう人もいるという前提でお願いします)。 何かからモチーフを取ってキャラクターを作る時、そのモチーフをどう表現するのか、という部分に目が行きがちなんですけども、セッションの合意が「キャラの再現」でない限り、モチーフの表現にこだわりすぎると楽しくなくなる原因になりかねない場合があるんですよね。 むしろ、モチーフを取るのであれば、そのモチーフの「どこを楽しみたい」のかを考えるといいですね。例えば鳥からモチーフを取るのであれば「空を飛ぶ事を活かしたい」だったり、三枚目キャラからモチーフを取るのであれば「……

【日想】044:システムの深化によってもたらされるもの

TRPGも気づけば結構歴史の古い遊びになってきており、歴史の中でシステムも独自の進化と深化を遂げて、初代のTRPGに比べると今のTRPGシステムは随分変わってきているといえます。 その深化のなかで例えばゲームマスターの負担が減ったり、プレイヤーのプレイアビリティが上がったりして、TRPGという遊びについて「一面を楽しむために必要なコストが下がっている」と言えると思います。 そして必要なコストが下がる分、ギミックに凝ったゲームにしたり、演技に特化したりという余裕が生まれ、より「楽しく遊ぶためのきっかけが増えている」んじゃないかなと思うんですよね。 そういう意味でシステムの進化・深化でもた……