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033:役割分担の重要性

TRPGでは様々な場面で「役割分担」が行われています。 例えば、戦闘時に壁となって仲間を守る人、回復魔法で仲間を癒す人、交渉場面で主導権を握る人、あるいはパーティの共有財産を管理する人、面白いギャグでパーティの気持ちをほぐす人など、様々な意味での「役割分担」が(意識的にせよ、無意識にせよ)なされているはずです。 実は、この「じゃあ、私は〜という役割ね」という「役割分担」は、TRPGをTRPGとしている最も重要な要素なのです。 TRPGの魅力の一つに、「ロールプレイ(RolePlay)」というものがあります。 これは、様々なコンテンツで振れていますが、「ロールプレイ」とはすなわち「役……

032:行動の整合性

このコラムを問わず、TRPGGigaFreaks!内ではよく「リアリティ」という言葉を使っています。 それは、あくまでも個人的な意見ではあるのですが、私が「TRPGにはリアリティが重要だ」と思っているためです。 むしろ、「リアリティが重要だ」というよりも、よりTRPGを楽しむためにはプレイヤーやゲームマスターを問わず、リアリティを重視する事がよりよい結果につながるのではないか?と思っているのです。 この点について、何故私がそう思うのかについてはまたの機会にお話をするとして、今回は「どうすればよりリアリティが出るか?」という事を考えてみたいと思います。 TRPGとは、基本的に幻想世界……

031:TRPGの上達法

今度は、プレイヤーやゲームマスター、あるいはゲームデザイナーとしての「TRPGの上達法」について、ちょっと考えてみましょう。 TRPGに最も役立つ物とは、何だと思いますか? 演技ですか?それとも、演出ですか?あるいは確率論かも知れませんね。 でも、ここでは全然違う答えを出してしまいましょう。 私は、TRPGで最も役立つ物とは、「経験と知識」に他ならないと思います。 TRPGをプレイする上、TRPGについての経験と知識が重要なのは当たり前だ、という反論が聞こえてきそうですね。 でも、ここで言うのは「TRPGの経験や知識」という訳ではないんです。 それはそれで良い物なんですが、ここ……

030:中世の「旅」

さて、中世と比べ、現代は「情報社会」であるとともに、「交通社会」でもあります。 人々はちょっとした暇を見つけては小旅行をしたり、連休を利用して大掛かりな旅行をしたり、あるいは車を使って「ちょっと遠出」という、様々な「旅」を楽しんでいます。 現代では、「旅」あるいは「旅行」は趣味の一つであったり、あるいは心と体のリフレッシュ手段の一つであったりします。 しかし、現代と中世では事情も異なります。 そこで、今回は中世における「旅」について、ちょっとした豆知識などを挙げてみようかと思います。 以前のコラムで取り上げましたが、中世の人々というのは、成人人口のおよそ9割までもが第一次・第二次生……

029:「生きた」キャラクターを演じる

さて、問題です。 TRPGの世代(ジェネレーション)を問わず、TRPGで求められている物とは、何しょう? 私は、この答えは「生きたキャラクターを演じる事」であると思います。 シミュレーションゲームの発展としてのTRPG。 世界を表現する為のツールとしてのTRPG。 一人のキャラクターを表現する手段としてのTRPG。 物語やキャラクターの関連性を掘り下げるツールとしてのTRPG。 これらの全ての種類のTRPGの中でも、「キャラクター」というインターフェイス、もしくはプレイヤーの分身は必ず存在する要素です。 この、「必ず存在する要素」と言うものが、重要ではないはずがありませんよね……

028:ダイスが使われる理由

ここのところ、ちょっと文学的な(?)話題が続きましたので、今度は数学的な話題をしてみましょう。 TRPGで使うアイテムとして「紙」「筆記用具」に続いて有名なアイテム、と言えば、それはダイス以外にはないでしょう。 ダイスはランダマイザー(乱数発生器:乱数とは無作為に決めた数字の事です)として一般的に用いられますが、これには理由があるのです。 無作為に数字を決める方法としては、ダイスを振る他に、トランプなどのカードを裏返し、シャッフルして好きな場所から引く等という方法があります。 しかし、何故、簡単に手に入るトランプを使わず、購入する手間がかかるダイスを使うのでしょうか? それは、「使……

027:「神官」が冒険に出る理由

さて、今度は神の信徒であり、あるいは代理人である「神官」について考えてみましょう。 神官とは、言うまでもなく聖職者階級に属する人間です。 特に、神の影響力が強く、人々も敬虔である中世の世界では、非常に強い力を持った人々です。 神官達は信徒からの寄付だけで充分に生きて行けますし、祭り事を取り仕切る事で、人々に必要とされる存在なのです。 しかし、それにも関わらず、ファンタジーTRPGの冒険者パーティを見ると、そのほとんどに神官がいるはずです。 生きていけるだけの糧があり、人々にも常に必要とされる聖職者が、何故、冒険などという危険な事に首を突っ込むのでしょうか。 聖職者ともあろう者が、……

026:TRPGにおける「神」の存在

昨今のファンタジーTRPGでは、背景となる世界の要素の一つとして、「神」の存在が規定されている物が大半です。 そして、その設定の多くは「唯一神」ではなく、「多神教」であるとされている事が多いようです。 ですが、ここで現代人である我々にはちょっとおかしいな?と思うような背景設定があります。 それは、多くの神があり、それぞれに多くの信徒を持っている割には、宗教同士の深刻な対立という要素が欠けている、という部分です。 現実世界の歴史を振り返ると、宗教が違うという事はすなわち相手は邪教徒であるという事であり、宗教という全人類の幸福を求める者(宗教家・信徒)同士が血で血を洗う深刻な対立状態を長……

025:「交渉技能」の存在

今度は、ゲームシステムとロールプレイについて考えてみましょう。 ゲームシステムによっては、キャラクターに「交渉」という能力や技能が用意されている事があります。 しかし、この能力(あるいは技能)、ロールプレイ重視でTRPGをしている時は、結構邪魔な物である事が多いんですね。 ちょっと一例をあげてみましょう。 悪人が女の子の人質を取って、民家に立てこもっています。 そこで、騎士のキャラクターが「自分が人質になる代わりに、人質の女の子を開放して欲しい」という説得を行おうとしました。 騎士のキャラクターが民家の前に歩み出て、こう言ったとします。 「君、か弱い女子を人質に取るとは、恥ず……

024:リスクとリターン

今度はちょっと近代的な考え方をしてみましょう。 では、問題です。 「職業として冒険者をする場合、最も注意しなければならない事は何でしょうか?」 私は、(意外かもしれませんが)「リスクの管理」であると思います。 冒険者と言えば、良く言えば自由人、悪く言えばゴロツキの類にも関わらず、「リスクの管理」とはいかにも商売人っぽい考え方に思えるかも知れませんね。 しかし、自由人(あるいはゴロツキ)だからこそ、リスクの管理には慎重でなくてはならないのです。 通常、行動に対するリスク(危険度)に見合うだけのリターン(見返り)がなければ、その行動は起こすべきではありません。 この原則は、通常は金……

023:死

TRPGだけに関わらず、世界は「生」と、同じだけの数の「死」に囲まれています。 理想の幻想世界に住む、キャラクター達であっても、その死という名の運命からは決して逃れる事はできません。 TRPGの変遷に従い、「キャラクターの死」も様々な形に変遷しています。 キャラクターの死は、「プレイヤーの損失」から「世界の構成要素の消失」を経て、「一人の人間の人生の終わり」へと移り変わっていったのです。 ここで一つ、私が「キャラクターの死」について考えさせられたエピソードを紹介します。 「ストーリー重視」のTRPGをプレイしている最中、シナリオの最終場面の事です。 シナリオの最終場面、最後の敵……

022:戦士のタイプ

ファンタジーTRPGで戦士と呼ばれるクラスは、戦闘のプロです。 彼らは戦闘に勝利する為に、様々な技術を磨き、そして武器や防具を選択します。 ここでは、リアリティのある武器・防具の選び方と、それによって分類される戦士のタイプについて考えてみましょう。 戦闘で勝利するには、2つの条件があります。 一つ目は、自分が倒されない事。 もう一つは、相手を倒す事です。 この2つの条件を揃える為、戦士は防具と武器の選択に頭を悩ませる事になります。 防御面では防御力と回避率のどちらを重視するか。 攻撃面では破壊力と命中率のどちらを重視するか、という選択を行う訳です。 そして、その選択によって……

021:NPCとの交渉

TRPGはコミュニケーションのゲームでもあります。 従って、TRPGをやっている時は、常に意見の対立とその超克を行っているとも言えます。 こう書くと難しく思えるかも知れませんが、簡単に言うと、「TRPGではいつも意見の対立があり、それをなんとかしながら話が進んでいる」という事です。 例えば、依頼者NPCとPC(盗賊)の報酬交渉などがわかりやすい例でしょうか。 通常、NPCはなるべく安くPCを雇いたいでしょうが、PC達は一銭でも多く収入が欲しいはずです。 こういう時に、「意見の対立」は起こります。 そして、困った事に、「交渉」=「自分の意見を通す事」と考えているようなプレイヤーが、……

020:個性と強さ

最近の演技指向TRPGでは、作りたてのキャラクターでも戦闘面では結構強い、という物が多く見られますね。 そのためか、普通の(演技指向ではない)TRPGをする時、「キャラクターが弱いと個性が立たないんですよね〜」というプレイヤーを見かける事があります。 でも、ここでちょっと考えてみましょう。 キャラクターが弱いと、個性は立たないものなのでしょうか? 私は、これは違うと思います。 戦闘面に関して「強い」「弱い」というのは、明らかに個性の一部だからです。 足が速い、顔が良い、声が大きい、気が弱い、というのは個性です。 それと同じレベルの個性として、(戦闘で)「強い」「弱い」というのが……

019:ウィザード

ウィザードというと、ファンタジーTRPGで出てくる魔法使い系のクラスの名前ですね。 ところで、みなさんはご存じでしょうか? このウィザードですが、もともと「賢い」という英単語(Wise:ワイズ)から発展した物です。 つまり、ウィザードにはそもそも「賢い」という意味合いがあるのです。 それでは、「賢い」魔法使いであるウィザードとは、どんな人なのでしょうか? これは、色々な小説作品などでその姿をみる事ができます。 例えば、J.R.R.トールキンの指輪物語に出てくる偉大な魔法使いガンダルフ。 あるいは、アーシュラ・K・ル・グゥィンのゲド戦記の主人公ゲド。 彼らは幻想文学の中では「偉……

018:ファンタジー世界での冒険者

今回は、「幻想世界」でのリアリティを題材にしてみましょう。 「一般的なファンタジー」と呼ばれる世界での、冒険者の立場について、ちょっと考えてみましょう。 「一般的なファンタジー世界」とは、大体において「中世ヨーロッパの格好良い部分だけ複合した世界」と考えて差し支えありません。 逆に、「格好良い部分」でない部分については、ある程度史実に従うべきでしょう。 そう考えると、ファンタジー世界の住人のほぼ9割以上が第一次生産者、及び第二次生産者です。 つまり、食料や材木などを「作る」人々と、そこから加工して物を「作り出す」人々です。 「冒険者」というのは、明らかに「生産的」な仕事ではありま……

017:「戦う者」のリアリティ

今度は「現実的」な話を少ししてみましょう。 「戦う者」についてのリアリティを考えてみましょう。 どんな世界であれ、「戦う」という事には重大な決断を伴います。 本当に、命を懸けて闘うのであれば、少なくとも闘った後には負傷者が出るはずですし、多くは死者を出してしまうでしょう。 もし、自分が相手よりも弱い事が明確であれば、死にに行くようなものですから、「戦う」という事は愚かな選択でしょう。 逆に、自分が相手よりも強い事が明確であっても、戦いに不測の事態は付き物です。 闘うのであれば、下手をすれば自分が死んでしまうでしょうし、それでなくても多少の怪我を負う事になるでしょう。そうすれば、次……

016:どちらのリアリティをとりますか?

TRPGは演技を楽しむ遊びです。 そして、「異世界」のリアリティを楽しむ遊びでもあります。 例えば、ファンタジーRPGを楽しむ人は、現実世界にはない、剣と魔法の冒険活劇や、高度な魔法の織りなすハイファンタジーを楽しみます。 さて、ここで一つの問題があります。 貴方はTRPGをする時に、「現実世界のリアリティ」と「異世界のリアリティ」の、どちらを優先するでしょうか? 例をあげると、ファンタジーTRPGの「騎士」の行動の規範などがあります。 イメージで言うPCの「騎士」は、「騎士道」に則った、「公明正大」「弱者の味方」「正義の味方」等というイメージがあります。 しかし、現実の歴史で……

015:プレロールドはいかがですか?

みなさんは「プレロールドキャラクター」という方法をご存じでしょうか? TRPGでは通常、自分で自分のキャラクターを作成するのですが、プレロールドキャラクターという方法では、ルールブックに掲載されているキャラクターや、ゲームマスターが事前に作成しておいたキャラクターの中から自分のキャラクターを選んで決定する、という方法です。 これは、シャドウランや天羅万象などのTRPGで使われている「アーキタイプ」という方法や、原作物のTRPGなども含む、ちょっと面白いゲームの楽しみ方なのです。 普通、TRPGでは自分の作ったキャラクターを、自分の作った設定に従って演技します。 しかし、プレロールドキ……

014:最近のTRPGの傾向

※このコラムは「TRPGの変遷(第1世代)」「TRPGの変遷(第2世代)」「TRPGの変遷(第3世代)」の続編です。 TRPGの変遷の歴史をざっと振り返った所で、今度はTRPGの最近の傾向について考えてみる事にしましょう。 最近は「第1世代型」と呼ばれる「戦闘と成長」のTRPGはなりをひそめ、代わりに「世界」を重視する「第2世代型」TRPGと、「キャラクター」を重視する「第3世代型」TRPGがTRPGの代表格になっています。 更に最近では、その「第2世代」と「第3世代」を合体させた上で「キャラクターの演技」にウェイトを置いた「演技重視」TRPGがなかなかの好評を博しているようです。 こ……

013:TRPGの変遷(第3世代)

※このコラムは「TRPGの変遷(第1世代)」「TRPGの変遷(第2世代)」の続編です。 こうして「異世界」全体を表現するに至ったTRPGですが、プレイヤーはまだ満足しませんでした。 「独特の世界」、「独自の歴史」そして「特徴的な街」、更に「個性的なNPC」が揃った所で、プレイヤー達は今度は自分のキャラクターも「個性的」である事を望んだのです。 これは全く当然の成り行きでもあります。 「現実世界」であろうが「異世界」であろうが、人間というものは画一化された存在である訳がないのですから。 また、「個性的なキャラクター」を、ゲームマスターの専売特許にしてしまう程、プレイヤー達はおとなしくは……

012:TRPGの変遷(第2世代)

※このコラムは「TRPGの変遷(第1世代)」の続編です。 こうして新しい遊びとして発表されたTRPGは、様々な人によって遊ばれました。 そして、その中で、「迷宮だけではなく、街でも遊びたい!」という意見や、「この世界って、どういう世界なのだろう」という疑問が持ち上がってきました。 そう、TRPGは自由に遊べる遊びであるからこそ、もっと様々な事をして遊びたいというプレイヤーの想いを強めてしまったのです。 TRPGの舞台は、今までは冒険の出発点・迷宮に行く前のスタート地点でしかなかった「街」や「村」を含む、世界全体へと広がっていったのです。 そして、ただ「普通」であった「街」にも様々な特……

011:TRPGの変遷(第1世代)

さて、最近はちょっと問題提起が多かった様ですので、今度はまっとうなコラムに挑戦してみましょう。 私たちが楽しんでいる「TRPG」、これは初代D&Dが発売されてから様々な人に遊ばれ、その遊び方も変化して行きました。 それに従ったのか、それとも時代をリードしていったのか、TRPGのルールも初代D&Dのルールに比べると、色々な形に変化をしています。 では、TRPGはどのような変化を遂げて来たのかを、ちょっと振り返ってみましょう。 TRPGの元祖と言えばD&Dです。 そのD&Dをはじめとする初期のTRPGは、簡単にまとめてしまうと「迷宮と戦闘のゲーム……

010:TRPGを「勉強」してませんか?

曰く、「TRPGは面白い」。曰く、「TRPGは最高の遊びだ」。 私も、そう思います。最高の仲間と最高のセッションを行う事ができた後などは、心底「TRPGは最高に面白い遊びだなぁ」と思います。 確かにTRPGは面白いです。ハマればハマるほど面白いですから、一度ハマるとどんどんとハマって行きます。 そして、仲間内がその意識で固まってしまうと、次はみんなでTRPGの研究や勉強を始めてしまう事もよくある話なのではないでしょうか。 例えば、先だってのコラムで取り上げた「セッションについての雑談」が、「ゲームマスターの良かった所/悪かった所」、「プレイヤーの良かった所/悪かった所」という話で固定……

009:セッション後には何をしますか?

みなさんは、TRPGのセッションを楽しんだ後、何をしていますか? 私は、時間が許すのであれば、みんなでセッションについての話をします。 TRPGでセッションをした後で、今回のセッションの内容について、話し合うのも楽しい時間ですね。 自分のキャラクターが格好良く行動できた所、他のプレイヤーの見せ場シーンについて、ゲームマスターの作ったシナリオの面白かった所。 こんな話をしていると、下手をするとセッション以上に時間がかかってしまう事もあるのではないでしょうか。 セッション後の興奮を引きずったまま、思いついた事をただ話しているだけの時間なのですが、実はこれはゲームマスター・プレイヤー共に……

008:こんなプレイヤーも困りますよね?

ゲームマスターの話が出たので、今度はプレイヤーの話をしましょうか。 TRPGの主役にして物語をよりエキサイティングにする役目を持つ人、プレイヤー。 ゲームマスターの頭の中でどんな素敵なシナリオを作っても、プレイヤーを相手にセッションをしないと、決してTRPGにはなりません。 人の性格は千差万別であるように、プレイヤーのスタイルも千差万別であるのは言うまでもありません。 千差万別のプレイヤーがいるからこそ、TRPGは「1人では決して作る事のできない物語」を紡ぎ出す事ができるのです。 でも、やっぱりゲームマスターをしていると「これは困ったなぁ……」というプレイヤーにも出くわしてしまう事……

007:こんなマスターって困りますよね?

TRPGの進行役にして判定役、そしてシナリオを提供してくれる神のような存在、それがゲームマスターです。 色々な人とTRPGを楽しんでいると、色々なタイプのゲームマスターに出会います。 ゲームマスターによって、同じゲームでもルールの解釈が違ったり、世界観が微妙に違ったりする事も多いのですが、これもTRPGの楽しみの一つですよね。 しかし、「これはちょっと……」というゲームマスターに出会ってしまう事もあります。 例えば、シナリオは美しいけれど、PCが全然関与できず、NPC(GMかな?)の一人芝居になってしまう一人演技マスター。 ルールのカスタマイズにのめり込みすぎて、全然違うルールにな……

006:ゲームマスターって難しいですか?

TRPGを楽しむ人というのは、大雑把に分けると2つのタイプがあります。 「プレイヤーを楽しむ人」と「ゲームマスターを楽しむ人」の2種類です。 (この分け方だと「プレイヤーもゲームマスターも楽しむ人」もいるはずですが、今回は省略します) そして、「プレイヤーを楽しむ人」に「ゲームマスターをやってみたいと思わない?」と尋ねてみると、意外に多くの人が「ゲームマスターって難しそうだし」と答える事に気づきます。 ゲームマスターって、難しいんでしょうか?楽しくないんでしょうか? 私はどちらも「否」だと思います。 たかがゲームで、難しくて楽しくない役目を引き受ける人間なんている訳がありません。 ……

005:プレイヤー同士で喧嘩をしていませんか?

TRPGはキャラクター演技のゲームです。 様々に設定されたキャラクター達が一緒に行動している以上、利害が一致しない場合や意見の相違から対立状態になってしまう事も、ままあります。 TRPGは「みんなで楽しむ」為の遊びですから、対立状態というのはあまり望ましい物ではありません……と、言う訳でもないんですね、実は。 キャラクター同士がお互いの意見をぶつけ合い、その中で「よりベター」な意見を作って行く、というのも物語では重要とされる場面ですし、これをプレイの中で再現する事ができれば、それは非常に楽しいセッションである言えるでしょう。 ですから、パーティ内での意見の対立はあっても良いのです。 ……

004:ハック&スラッシュは駄目ですか?

TRPGにはハック&スラッシュというプレイスタイルがあります。 ハックスラッシュとは、古典的TRPGの「ダンジョンズ&ドラゴンズ」の頃から確立されているプレイスタイルの一つで、「迷宮に侵入し、モンスターと戦い、宝物を稼いで迷宮から帰還する」というスタイルです。 これは初期のTRPG作品のシナリオではある意味で当然のプレイスタイルでしたが、TRPGが進化し、演技や設定が重要視されるようになってからは、あまり歓迎されない古いスタイルになってしまいました。 それどころか、最近の風潮では戦闘を「TRPGの華」と捉え、戦闘時に綿密な計画と確率分析、「有利さを求めた戦闘オプション」を駆使して戦闘を……

003:みんなが楽しんでますか?

今度は、プレイヤーについて考えてみましょう。 TRPGはプレイヤーがいなくては始まりません。 ゲームマスターが用意したシナリオを、一つの物語として完成させるのは、他でもないプレイヤーなのです。 プレイヤーには色々なタイプがいます。 例えば、シナリオを引っ張るアクティブなプレイヤー、冷静に「流れ」を把握して上手く行動するプレイヤー、演技の上手いプレイヤー、ただ話を聞いているプレイヤー、ゲームに参加しないプレイヤー等々……色々いますよね。 その色々いるプレイヤーですが、これだけは認められないプレイヤーというのが存在します。 それは、「みんなが楽しむ」事を阻害するプレイヤーです。 確……

002:そのゲームは演技を必要としますか?

今度はゲームシステムについてのお話です。 TRPGは「演技を楽しむゲーム」です。 (ここで言う「演技」とは「なったつもりで」という類の物を指します) しかし、ゲームシステムによっては「キャラクターの台詞をキャラクターらしく発言する」事が求められる物も少なくありません。 (ここでは「成り切る」と表現しましょう) 私自身は「演技過剰」かつ「いつでもキャラクターの台詞をキャラクターらしく発言する」傾向の強いプレイヤーですが、実は私個人はこのようなタイプのプレイスタイルを求めるゲームはあまり好きではありません。 淡々とした説明口調で「キャラクターらしい言動」を宣言する事も、またTRPGにおけ……

001:育ちすぎた冒険者

いきなりハードな話題かも知れませんが……キャンペーンなどをすると、キャラクター達は加速度的に強くなっていきます。 キャンペーン序盤ではまだまだヒヨッコであったキャラクター達も、キャンペーン終盤に至っては世界を救う勇者になっている事でしょう。 こうなると、TRPGは凄く面白くなります。 キャラクター達は最強のドラゴンすらも薙ぎ倒し、世界の危機を何度でも救うでしょう。 しかし何事にも終わりはやってきます。 世界で最も恐ろしいモンスター(例えばドラゴン)を易々と葬るキャラクター達は、すでに「世界の脅威」になってしまっているのです。 ですから、育ちすぎた冒険者は引退しなければなりません。……